book-邦訳

ピーター・ビーグル『最後のユニコーン』

ブクログに登録しようと再読していたら、以前よりずっとすっきり理解できた。 以前: http://d.hatena.ne.jp/asukakyoko/20060429 このころはやっぱり<二階堂奥歯>にものすごく引きずられていて、物語を読むというよりも彼女を追体験するために読んでいた…

ディフェンスのこと

ディフェンス作者: ウラジーミル・ナボコフ,若島正出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/09/19メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (24件) を見るとにかくひとこと、おまいらこれを読めと、つべこべ言わずに読めと言いたく…

ウラジミール・ナボコフ『ディフェンス』

緻密な描写と構成によって組み立てられた、精緻な構造物であり、同時に、美しいとさえ言えるほど勇敢で哀切な物語。 こんなに結末が来ないでほしいと願った小説はなかったし、最後の数章を読み進めるのは辛い作業だった。なぜなら著者は前書きでその結末をす…

バタイユ『エロチシズム』

引用のみ。 われわれは通じ合おうとする。しかしわれわれの間に生まれるどんな交流も、第一義的な相異なるものを除きうるものではない。あなた方が死のうが、死ぬのはわたしではない。われわれ、つまりあなた方とわたしとは、非連続的生き物なのである。(p.…

スーザン・ソンタグ『反解釈』

反解釈 (ちくま学芸文庫)作者: スーザンソンタグ,Susan Sontag,高橋康也,由良君美,河村錠一郎,出淵博,海老根宏,喜志哲雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/03/01メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 55回この商品を含むブログ (52件) を見る ヴェーユの…

トイレの文化史

トイレの文化史 (ちくま文芸文庫)作者: ロジェ=アンリゲラン,Roger‐Henri Guerrand,大矢タカヤス出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/12メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見るようやく読み終わった。これも真面目に書けばかくほ…

スウェーデン式、アイデア・ブック

スウェーデンって、改めて表記しようとすると迷うもんですね。スエーデンって発音してるからかしら。 ずうっと前に買ってあって、そういえばこんなんあったねぇと電車に乗りながらぱらぱらめくりました。要するに、「とにかくたくさんアイデアを出しなさい。…

『わたしを離さないで』

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)作者: カズオ・イシグロ,土屋政雄出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2008/08/22メディア: 文庫購入: 32人 クリック: 197回この商品を含むブログ (341件) を見るある種のリハビリとして。面白かったです。内容に触れると…

本日のカラマーゾフ

読み終わった!エピローグも!いろいろなことがうずまきすぎていてなにを言えばいいのかよく分からなくなりました。でも、こんなものを人間が書けるのだということにわたしはひたすら感激しています。ドストエフスキーすげー!カラマーゾフ万歳! あとはじっ…

本日のカラマーゾフ

ようやく4巻のはんぶんくらいまで。いよいよ明日は審判の日です。ミーチャ興奮しすぎだから!あとアリョーシャはいろいろと振り回されすぎ。そういう役どころだから仕方ないよね…。でもお兄さんを信じてるって告げる場面にはぐっときた。ミーチャ、よかった…

カレル・チャペック『ロボット』

ロボット (岩波文庫)作者: カレル・チャペック,Karel Capek,千野栄一出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2003/03/14メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 131回この商品を含むブログ (66件) を見る過剰なものにこそ人間性は宿るという話。なんでロボットが反乱…

本日のカラマーゾフ

アリョーシャが終わって、ドミートリーの章。彼の発する「リアリズム」という言葉が面白いと思う。彼が、「リアリズムってのは、なんて恐ろしい悲劇を人間にもたらすもんなんだ!」と感嘆するとき、それは彼自身が小説の中の登場人物であるということと響き…

本日のカラマーゾフ

カラマーゾフの兄弟3 (光文社古典新訳文庫)作者: ドストエフスキー,亀山郁夫出版社/メーカー: 光文社発売日: 2007/02/08メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 47回この商品を含むブログ (171件) を見るアリョーシャがゾシマ長老の死を通じて神の(あるいは世界…

ギベール『犬たち』

延々と性行為の描写が続くサドマゾ小説でした。問題の「フーコーには気に入ってもらえなかった」発言ですが、邦訳のあとがきは訳者によるもので、そこへギベールのインタビューでの発言が引用されていたのでした。1991年7月18日、「ヌーヴェル・オプセルヴァ…

ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』

最北の哲学徒ブログで取り上げられていて、フーコーとの交友録にもなっているとの紹介に読んでみたくなり、このたび三分の一ほど読んだところです。 フーコーの私生活なんてほとんど知りませんが、いきなり「知ってる」以上の話が読めてしまって面くらいまし…

今日のカラマーゾフ

今更ながら『カラマーゾフの兄弟』読んでおりますが、面白いです。先日、新訳の三巻目にようやくたどり着きました。ようやくゾシマが死んだ。そして腐敗臭がただよってきてみんな愕然とする。腐る!?腐ってる!?って大騒ぎ。怖いよ。人間なんだから腐るで…

グッドマン「いつ芸術なのか」(『世界制作の方法』所収)

いつ芸術なのか。この言い方は奇妙だ。なぜなら私たちはいつも、芸術とは何かと問うのだから。あるいは私たちは、そこに描かれているのは何か、と問う。しかし、グッドマンにとって、それはあまり質の良い問いではない。なぜなら、そうした問い方は質の良く…

世界制作の方法

出ました!世界制作の方法 (ちくま学芸文庫)作者: ネルソングッドマン,Nelson Goodman,菅野盾樹出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/02/06メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 234回この商品を含むブログ (44件) を見る写真は実物と、身近な人にもらった…

世界制作の方法

ついにちくま文庫で復刊!やったー! http://www.chikumashobo.co.jp/comingbook/

ひきつづき、『眼と精神』

以前から引き続き、勉強会で読んでますけど、いやー、面白いよメルロ・ポンティ。初めて彼の文章が面白いと思った。これまで難解でしかなかった文章が、いきなり読めるようになることがあるんだと分かったときの快感!あれも分かる、これも分かる。そうかそ…

ちくま学芸文庫復刊投票の結果

ここ(http://d.hatena.ne.jp/asukakyoko/20070926)でお知らせしておりました復刊投票の結果が発表になってます。 http://www.chikumashobo.co.jp/special/gakugeifukkan/ 自分のリクエストしたのがけっこう入ってて、割と一般的な感性を持ち合わせていたん…

近刊?『認知言語学のための14章(第3版)』

『認知言語学のための14章 第3版』 : 認知言語学的メモ どうも、ここをみる限り第3版はまだ出てないようなのですが、 紀伊國屋書店ウェブストア こっちでは買えそうな様子。予約だけということなのかしらん。アマゾンでは旧版しかなくて、しかも倍近い値段に…

意識する心―脳と精神の根本理論を求めて作者: デイヴィッド・J.チャーマーズ,David J. Chalmers,林一出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2001/12/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 129回この商品を含むブログ (32件) を見る一部を授業で読んだんですが、…

ロ、リー、タ

ロリータ (新潮文庫)作者: ウラジーミルナボコフ,Vladimir Nabokov,若島正出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/10/30メディア: 文庫購入: 19人 クリック: 941回この商品を含むブログ (320件) を見る日記を書かないあいだ何をしていたかというと、本を読んで…

バベルの図書館4、カフカ

バベルの図書館 4 (4) カフカ 池内紀訳、国書刊行会、1988年初版、1993年二刷 以前ハービスエントのアンジェに行ったときに惚れ込んで買わなかった本。装幀がとてもよく手に馴染むので、持っていて疲れない。昨日、お天気も良かったので梅田までわざわざ行っ…

最後のユニコーン

『最後のユニコーン』 ピーター・S・ビーグル著、鏡明訳、早川書房、1979 ようやく読んだ。午後、まだ明るいときから読み始めて、文字が読みにくいのに気がついて明かりをつけ(本当はハガード王のようにつけたくなかったのだが)、小さなスタンドの下で貪…

ハンバーグと『飛ぶ教室』

なんだかつぶやいてばかりだな…。 ご近所の、美味しいハンバーグ屋さんに行く。相変わらず美味しい。今日はゆるゆるの、長いスカートと、長い上着を着た。いつも比較的ぴったりした洋服を着ているのだけれど、たまにこういう服を着るのも悪くないと思う。動…

経験論と心の哲学

今欲しい本はコレ! なんかアフィリって自分で買ってもお金戻ってくるということがわかったので(無知!)、これからは欲しい本を躊躇なくリンクしていこうと思います。まったくもって自分仕様。だってこんなごっつい本誰か買うと思わないもの。でも買ってく…

星の王子さま

星の王子さま 邦訳ラッシュだったらしいのですが、今頃手に取りました。 ちなみに読んだのは上の池澤さん訳ではなく、石井洋二郎さんのものです。ちくま文庫の新刊。写真がないので上のにしてみましたが。 なんで今頃っていう気もしたのですが(あ、ちくま文…

火星の人類学者

火星の人類学者―脳神経科医と7人の奇妙な患者 (ハヤカワ文庫NF)作者: オリヴァーサックス,Oliver Sacks,吉田利子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2001/04/01メディア: 文庫購入: 9人 クリック: 129回この商品を含むブログ (116件) を見る 10年ほど前に耳に…