コミカルな二作。(パディントン、デッドプール)

パディントン


以前、「ママ」というホラー映画とのコラージュで取り上げたパディントン・ザ・ムービー。ようやくみました。
特別ひねりのないハートフルな映画、というとディスってるみたいですが、面白かったですよ!パディントンの巻き起こす騒動ぶりもよく描かれていましたし、映画ならではの脚本もよかった。若干、「ベイブ都会へ行く」を思い出すようなあらすじなのも個人的には気に入りました。
人語を解する動物、という設定はよくあるものなんですが、今回の場合は完全にマイノリティである熊、という点にお話が絞られており、原作ではどうだったか忘れてしまいましたが、わかりやすくはなっていました。絵本や小説だと、そのあたりをぼんやりとしたまま読み進められるんですが、映画ではそこらへん、ちょっとハッキリさせないとイマイチわかりにくくなるのかもしれないな、とか。パディントンがちょっとリアルに描かれているので、小さい子はもしかしたら怖がるかもしれませんが、まぁみんなで見れば怖くないし、別に怖い話じゃありません。熊だけど、いい子ですよ。



デッドプール


あらかた、マーベルを見尽くしつつあるのでもう残りウルヴァリンサムライとこれくらいしかないよね…ということになり。(あ、グリーンランタンもまだか…。)いやごめん、ちゃんと面白かったです!人体実験の末不老不死になってしまったデッドプールが恨みを晴らして恋人を取り戻すお話。
ヒーローというにはちょっと、ハズレ値のようなデッドプール。こういうのを、トリックスターというのでしたっけ。ともあれ、「第四の壁」(という言葉をこの作品で知りました)をガンガンにぶち破ってくるデッドプールはなかなか小気味よく、映画としてのテンポもよくて、ジョークが多用される映画としてはくどくなく最後まで面白く見られました。
ただ、よく考えると漫画の中では第四の壁なんてしょっちゅう破られているわけで、デッドプールという存在自体は漫画界にとってはさほど目新しいわけではないのではないか、などと思ったりもしています。が、具体的にどの作品と言われるとちょっと思い出せない。手塚作品とかはメタ要素すごくありますよね。
あとなんというか、低予算だからなのか、どちらかというとCGよりもスタントによる(?)生身っぽいアクションが多く、全身タイツもあいまって、戦隊ものとか、仮面ライダーとか、ああいった味わいを感じさせる作品になっておりました。
あとこれはもう完全に作品とは関係ないんですが、刑事ものとかでよくでてくる壁に模造紙を貼って人物同士の相関や状況をメモ書きとか糸でどんどんつなげていくっていうやつ、あれって使える方法なんでしょうか。ちょっと興味ある。なんか、決まったメソッドとかあるのかしら。
とかほんとどうでもいいことを書きたくなる映画なので、まったく力を入れずに観られる良作です。割りにストレートな恋愛ものでもあるので、恋人同士で見ると楽しいと思います。