ディフェンスのこと

ディフェンス

ディフェンス

とにかくひとこと、おまいらこれを読めと、つべこべ言わずに読めと言いたくてこの記事をたてました。いやもう言われなくたって読んでるよあほかくらい言われてもいいです。何度でも言いたいんだ。昨日の記事は私の脳から直接でた「すっげーこれすっげー」にお化粧して服を着せているので伝わらないんじゃないかとか、あとエイプリルフールで嘘だと思われてるんじゃないかとか、思ったのでもう一回書きますよ。ナボコフといえばロリータみたいに思っていた私の脳天を直撃して見事に破壊してくれやがった一冊です。すごいよ、まじですごいから。何も言わずに騙されたと思って読んでください。読んでみて騙されたー!と思ったら私にお金を要求してもいいです。それくらい自信ある。泣くね。自分の無力さに泣く。そして天才の孤独を共有するから泣く。だって死んじゃう、最初から死ぬことに決まってる。チェスのゲームだから。それなのにその作者の残酷な決定にどうにかしてあらがおうともがきまくる。その描写がね、ナボコフの筆さえわたりまくってて残酷なくらい緻密で丁寧なのですよ。無様なルージンをこれでもかっ!!ってくらい無様に書くわけですよ。悲哀とかもうそんなもんじゃなくて、とにかくその悲惨さに絶望する。私たちはこんなに何もできない、何もできないって知りながら最後の瞬間に向ってもがきつづけるしかないんだって。ナボコフはその絶望から目をそらさない。最後の瞬間まで、何度ももう目を閉じればいいのにって思いながらずっとそれを読者に見せつける。読んでるときはほんとに苦しい。そういう苦しさや醜さや惨めさや無様さを、これでもかってくらい書きまくるのがナボコフで、そのナボコフをして「温かい」と言わしめる小説がこの『ディフェンス』なんです。とにかく読んでほしい。読んでないひとにはとにかく一度、この小説に触れてほしい。
いやけど、正直文学とか無理だし、って人にこそ読んでほしい。文学ってそもそもめちゃくちゃなものなんだよ。ドストエフスキーみてよ。カラマーゾフの兄弟をみてみてよ。あれと並ぶ。越えられないかもしれないけど少なくとも並ぶ。文学ってなんのためにあるのって言われること多いけど、なんのためでもねぇよ!必要だからあるんだよ!!いいからあるものを読めよ!!!人生に迷ってても迷ってなくてもどっちでもいいよ!!!!(迷ってるほうがぐっとくるかもしれないけど)面白いものがあるのに読まないってどういうことだよ!!!おれだよ!!!って思ったので、後悔しないうちに読んでください。