2011-01-01から1年間の記事一覧

いしよ

すれ違いざまにする挨拶さえしたことのない人の遺書をみかけて、この人が私にしてくれたことを思い出し、それが彼の行った最後のことだったらと思い、それは完全な偶然なのだが、にもかかわらず、私がここに記述することで何らかのまとまりを得るのだと思い…

薄型民芸: こけし

贈り物で、こんなものをいただいたのだった: 見ての通りこけしなのだが、薄い: このうすっぺらいこけしさん、「薄型民芸」といって民芸品をうすっぺらくデザインし直している商品のひとつ。薄型テレビの上にも置けるようにっていう発想が小憎らしい。 公式…

スケルトンっていうけど

どうしてこうなった。

匂いの記憶

いま不意に、10年前好んでつけていた香水の匂いがした。男物で、甘くない骨格のしっかりした匂いが気に入っていた。でもたった一度買いそびれて以来、買っていない。そのとき付き合っていた人に、香水をあげた。自分とは違う匂いだった。ずいぶん押しつけが…

高橋源一郎「さようなら、ギャングたち」

書評が勉強になる。自分の言いたい事を表現するのは大変だ。だが、うっかりしてぼんやり表現してしまうと、全部同じものになってしまう。本が違うのに同じ書評というのは、最悪だ。だから、その本の特徴を一生懸命探して、その本にしかできなかったことはな…

桜色

いつか見た桜をまた見ることはない。毎年新しい桜を見る。ひとつも同じ桜はなかったが、桜の記憶はいつも似ている。こぼれそうな花弁と、視界いっぱいの桜色、その向こう側の空の色、微かに香る風の匂い、それと別れの記憶。そういうものでいっぱいだ。楽し…

つきもの、つぎのも、たまもの

さいきんナボコフかディフェンスのことしか考えてない。右欄に「押し付け本」コーナーを作ってディフェンスを入れる始末!もうだめだ!なんでこんなに取りつかれているのやら自分でもよくわからなくなってきました。次は同じくナボコフの『賜物』を読むつも…

ピーター・ビーグル『最後のユニコーン』

ブクログに登録しようと再読していたら、以前よりずっとすっきり理解できた。 以前: http://d.hatena.ne.jp/asukakyoko/20060429 このころはやっぱり<二階堂奥歯>にものすごく引きずられていて、物語を読むというよりも彼女を追体験するために読んでいた…

ディフェンスのこと

ディフェンス作者: ウラジーミル・ナボコフ,若島正出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/09/19メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 22回この商品を含むブログ (24件) を見るとにかくひとこと、おまいらこれを読めと、つべこべ言わずに読めと言いたく…

さくらさくら

ウラジミール・ナボコフ『ディフェンス』

緻密な描写と構成によって組み立てられた、精緻な構造物であり、同時に、美しいとさえ言えるほど勇敢で哀切な物語。 こんなに結末が来ないでほしいと願った小説はなかったし、最後の数章を読み進めるのは辛い作業だった。なぜなら著者は前書きでその結末をす…

ヴィム・ヴェンダース「pina」

http://www.pina-film.de/en/trailer.html ピナ・バウシュ振り付けの舞台を中心に作られた、舞台映像でありドキュメンタリー。撮った人はヴィム・ヴェンダース。 とにかく楽しかったです。ピナ・バウシュの振り付けによる舞台を私は一度も見たことがなかった…

雨宮まみの「セックスをこじらせて」

http://www.pot.co.jp/kojirasete/20110328_043104493922840.html こんなにまっすぐに女の欲望について書ける人を知らない。そのねじれさえも。

keep going

たとえどんなに絶望しても、自分の姿勢を崩さずにいることだ。 椎名林檎が好きなのは、ちゃんと乗り越えたところにいるから。どれくらい翻弄されても、どれくらい溺れても戻って来る。めちゃくちゃになっても、まるで何事もなかったかのようにしれっと歌いだ…

絶体絶命

霧と磁石

こんなときでも私たちは自分のことばかり考えている。こんなときだから、余計に。他人のことなんてかまっていられない。一日でも長く愛する人のところで過ごし、一日でも長く一緒にいたいと思う。その感情が長く続くといいねと私は思う。一年後にもその感情…

グーグル・パーソンファインダー

被災者の安否確認サイト、グーグル・パーソンファインダーが入力作業のボランティアを募集している。 http://googlejapan.blogspot.com/2011/03/blog-post_17.html http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011_volunteer.html パーソン…

日本には、いないけど。

朝から晩までニュースを追い続けている。手に入る情報からみると、福島の状況はどんどん悪くなっている。地震と津波による直接の影響も、かなり酷いようだ。ここにいてさえ、ダメージを受ける。日本にいる人は、まして被災した人々はどれくらい大きな苦しみ…

物語を書くということ

空中キャンプさんのこの言葉が私を勇気づけたという事実が、物語の必要性を雄弁に語っていると思うのだ。 「一年後、五年後、もしくは十年後に、人びとは災禍と向き合い、それを精神的に克服するための物語を必要とする。人びとがそれをどのように経験し、な…

無事です。

わたくしどもの家族は全員無事です。また主だった友人関係も無事です。ただ友人の御家族などは福島などで被災した模様。日本の半分が巻き込まれた地震ですからもはやすっかり他人事ではありません。二人知人を辿れば誰かが被災している。それなら被災地にい…

世界をみる

誰かの目線になるという言い方がある。物語においては、寄り添う、という言い方がある。登場人物に寄り添う。寄り添って世界を描く。彼の、彼女の見ているものを、となりで一緒に見る。君がなにを見ているのか、私に教えてください。と、言い続けること。君…

ヤンソンさんの誘惑

スウェーデン料理らしいこのヤンソンズテンプテーション。菜食主義者のヤンソンさんがあまりにいいにおいでついつい食べてしまったという由来があるのですが、材料を切ってパイ皿に重ねてオーブンに放り込むだけの簡単料理なのです。キッシュみたいに台もい…

でき…た…ガクリ(絶命

けっこう一生懸命書いたのに、二週間で4万字でした。そして読み返したら超絶つまらなかったです。orzorz これから何がつまらないのか詳細に検証するという地獄の時間が待っています。逝ってきます。

さよならだけが人生だ

いちおう、元ネタかなぁっていうものせておきましょうかねぇ。 この盃を受けてくれ どうぞなみなみつがしておくれ 花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ (井伏鱒二訳:于武陵「勧酒」) 最後の二行は神がかってるなと思うくらい好きです。

アジカンのソラニン

音楽を聴くのに歌詞なんて関係ないぜ的なエントリの後になんなんですが、これはめずらしく歌詞を見ようかなと思った曲。出だしの「思い違いは空の彼方 さよならだけの人生か」が好きで何回も聴いてしまいます。なにも言ってない歌詞なんだけど、なにも言って…

サラダとブラート・ブルスト

ALDIでサラダ菜(Kopfsalat)が65セントだったので!捨てるところのない新鮮さに春を感じました。ソーセージは5本入り1.6ユーロくらいで売られている生のもの。Brat Wurst(焼きソーセージ)という名前の通り、焼いて食べます。年末に食べたチューリンガーに…

音楽のこと

私はいわゆる、音楽好きではないと思う。積極的に演奏者の名前を覚えたり、好んで誰かの歌や曲を聴いたりはしてこなかった。無音でいても平気だし、気分に合うものならなんでも聴く。それから、歌詞をほとんど覚えない。歌わなければならない場合や、歌詞が…

食べること

食事に関してはそっけない性格をしている。どこそこのなにが食べたい、ということはあまりない。もしあるとすると、マカロンとはどういう食べ物なのか知りたい、といった理由である場合がほとんどだ。こちらにいると、たとえばドイツのマヨネーズはまずいか…

リッター・シュポルト

普段はmilka*1派のわたくしですが、現在reweにてRitter Sport*2が65セントで手に入るとなれば買わずにはいられないくらいにはリッター好きです。ヘーゼルナッツとクロカントのチョコ(写真右上)がおいしかった。あと、ここには写っていませんが、オレンジの…

チリコンカルネ

はい!というわけでお米がなければクスクスを食べればいいじゃない。今日はチリコンカルネを作りました。レシピがないのでいつも味が違います。同じ味に仕上げるのが大変です(何を入れたのか忘れるから)。たいていトマト缶とケチャップと唐辛子があればど…