三日目(6/5) Avignon → Pont de Gard → Avignon

この日のメインは、ポンデュガールというローマの水道橋。巨大な三重架橋かつプレハブ工法という非常に高度な建造物。


早朝、バスでGare Routre。ここに観光バスが来るはずだが…と見回すと、それっぽいバスが停まっている。ああ、あれに乗ればよいのだなと安心しきって駅でトイレを借り、戻って来ると、まだバスは無人のまま出発の気配なし。あと5分で発車時刻なのにおかしいな、と思っていると、目の前を同じ会社のバスが通りすぎて行く。見れば、乗らなければならない「A15」番のバスではないか。女二人、ヒールで走る、走る。追いついたところが、本来のロータリーだったようで、他の観光客が沢山待っていた。危なかった。
アヴィニョンからポンデュガールまで、このバスで40分ほど、ということだったので、いったいいくらかかるのかと思ったら、1.5ユーロだった。拍子抜け。本当なら、美術館とセットになっているチケットを買いたかったのだが、これなら別に、バラバラに支払っても問題無い。


途中の景色はすべてブドウ畑だった。


晴天の下のブドウ畑、なんだかとても、南仏っぽいな、とあほらしいことを考えながら揺られること50分。ポンデュガール、の声。ぞろぞろと降りる乗客。行ってしまうバス。取り残される乗客。もう少し、もう少しなにか、親切な案内とかはないのか…フランス…。


大きな看板の案内に従って、とりあえず進む。舗道は途中で尽き、行き止まりにぶちあたったりして方角が定まらないまま、うろうろと彷徨う。なんとか、インフォメーションと思しき大きな建物へ辿りつく。ここからが正式なアプローチのようだ。
で、ここからポンデュガールへ。




何か、点検をしていたらしい。私はてっきり、あの高さから滑り降りるスポーツかと。









とにかく巨大。水道のための橋、とは思えないほど立派。いやむしろ、水道の為の橋だからこそ、立派だったのかもしれないが、これほどのものを建造するには、現在どれくらいの労力とお金が必要なんだろうと思うと、ちょっと気が遠くなる。当時の動力はすべて人力だったのだから、尚更眩暈がする。


感動したのは、橋の巨大さもそうだが、景色の美しさ。水が驚くほど澄んでいて、空の色が写り込んで青いのだ。



友人と二人、河原で川を眺めながらぼーっとしてしまった。見ていて飽きない。キャンプも張れるようなので、泊ってもいいなぁというくらい良いところ。



インフォメーション棟に併設された美術館(本来なら7ユーロのはずが、この日は無料で入れた。すでに償却して無料化したのだろうか)で、建設当時の技術を再現していたが、とにかく膨大な数の人間を動力として使って建設している。30年頃のニューディールで造られたダムでさえ100人以上死んだらしいのに、いったいこの工事で何人死んだのやら。
その他、ローマの風呂事情、上下水道事情、トイレ事情などの展示。けっこう面白かった。
ポンデュガール自体は、その先のリュールという街へ水を運ぶ水道路の一部で、この水路には他にも地中に深く埋められたトンネルや、水量調整のため池や、水を分ける分岐点など、さまざまな施設が伴っていたらしい。今の水道事情と、ほんとに何も変わらない。
売店でサンドイッチを買って食べ、同じ路線バスでアヴィニョンへ。


アヴィニョンでは教皇庁アヴィニョンの橋、などを。*1













教皇庁では音声ガイドが無料で聞ける。これがけっこう面白くて、ついつい聞きいってしまい、思ったより時間を取られた。教皇の豪華な生活ぶり、教皇の権力者ぶり、教皇のお金事情など。隠し金庫があったりして、なかなか、世俗的な人々だったようだ。とりあえず、戦争好きと派手好きは組織を滅ぼすということがよくわかった。


アヴィニョンの橋で夕涼み。






アヴィニョンの鳩は風に乗るので、燕かカモメかというほど軽やかで格好良い。この鳩はじっとしてますが。


公園へまわり、市街地で買い物をしてホテルへ帰る。友人が、手で合図をしてバスを止めたのにはびっくりした。ドイツでは、まず相当頑張らないとバスは止まってくれないので。

*1:両者合わせて13ユーロ。アヴィニョンは、どこかひとつの施設に入ると、ディスカウントカードがもらえて、それを持って他の施設に行けば、割引料金で見学ができる。このカードは15日間有効なので、長めに滞在する人にはお得だ。