七面鳥を丸焼きしてみましたよ

今年はクリスマスに人を招くことになり、それならいっちょう鳥類を丸焼きにしてみようじゃないかということで、なんなら本の中でしかお目にかかったことのない七面鳥を丸焼きにしてやろうと思い立ちました。
思い立ったはいいのですが、丸焼きなんてやったことがない。こんなもの、いきなりやって成功するわけがない。ということで、試食会を開くことに。今回は私のメモも兼ねたレポートです。


※以下、焼かれる以前の七面鳥が登場しますので、生肉が苦手な方はご注意ください。


さて、まず最初の懸念は、七面鳥がそもそも手に入るのか。そして手に入ったところでオーブンに入るサイズなのか、ということ。
近所のスーパーを覗いても、あるのは鶏(Huhn)か鴨(Ente)、ガチョウ(Gans)ばかり。七面鳥を指すはずの「Pute」「Truthuhn」などは皆目見当たりませんでした。困ったな〜と思っていたところ、お友達が「米軍基地の近くなら、サンクスギビングもあったし残っているのでは」と教えてくれました。で、行ってみたら、あった!



でかい!なんと、3.6キロ。新生児と同じくらいの重さと大きさ。


これが自宅のオーブンにジャストサイズ。これよりちょっとでも大きかったら入らなかっただろうという運命の出会いでした。
あとはこれを調理すればいいのですが、これだけ大きいと解凍に時間がかかります。冷蔵庫に移して丸二日は必要とのこと。パックに入れたままわら半紙に包んだ状態で冷蔵庫に放置すること二日、無事解凍終了。
※その間に買った耐熱の深皿がなんとオーブンに入らなかったという事件もあったりしました。一応サイズを測って買いに行き、探しに探してこれしかない、と思って買った皿。「一センチくらいの誤差は問題ないだろう」と思ったその一センチがアダとなってしまいました……反省。結局その皿はサービング時の容れ物として使い、焼く時には自作のアルミ皿を使用しました。


次は仕込みです。
丸焼きのレシピを眺めていると、前日からつけ込む派と、当日いきなり焼く派があり、どちらかというとつけ込んだ方がターキーにうまみが染み込んでよいとのことだったので、そちらを採用。参考にしたのは、ここのレシピです:
ローストターキー – おいしいアメリカ:アメリカ料理レシピと食べ歩き情報満載!
※この「おいしいアメリカ」、どのレシピもすごーくおいしそうなんです。記事の内容も面白くておすすめ。


ところが、ここで再び問題が。いったい何に入れてつけ込んだらいいのか?
3.6キロのターキーをすっぽり入れられる鍋は残念ながらうちにはありません。いったんビニール袋に入れてみたものの、数リットルの液体の圧力に耐えられそうにはありません。困ったぞ!
というわけで結局ゴミ箱として使うポリバケツに、ビニール袋を重ねてかけ、そこにつけ込み液とターキーを突っ込んだのでした。
この仕込み作業が、前日の夜。


実はつけ込んでしまえば、あとは中身を詰めて焼くだけなので、大半の作業は終了したようなものです。中身(スタッフィング)のレシピはいろいろありますが、今回はお友達に教えてもらった、「りんご、オレンジ、シナモン」をベースにしたものにしました。中身にフルーツ??と最初はびっくりしたのですが、これがなかなかジューシーにできたんです。
スタッフィングはある程度過熱して、ハーブと一緒に七面鳥の腹の中に詰め込みます。今回使ったのは、ローズマリーとセージ。生のモノ、とあったけど手に入らなかったのでセージは乾燥のものを使いました。詰め込んだら、はみ出さないように竹串やつまようじを刺し、タコ糸で縛ります。
※ところで、ここにきて首の方にも空洞があるということに気づき……。全然気づかないまま一緒につけ込んでしまいました。慌てて中身を取り出して、ここにもスタッフィングを詰めて縛りました。焦った……。


で、これが「I'm ready.」状態の七面鳥氏です。

全体にはたっぷりの油を塗っています(バターを使うレシピも多かったです)。下にはスープを入れていますが、これはインスタントで作ったもの。


これを一気に焼くぜ!ということで、今回は最初に200度で30分。ある程度焼き色をつけて、そこからは150度で2時間。さらに中に火が通ったのを確認して、再び200度で30分、というタイムスケジュール。実は、中まで火が通った時点ではそれほど表面がこんがりしておらず、夫と「こんがりさせるかどうか」でひともめした挙句強火で焼き直すことに。結果、どうにか焼き色が付きました。
ちなみに焼けたかどうかはお肉の厚いところに温度計を指しておいて、それがだいたい「72度」になっていたらオッケーだそうです。七面鳥は脂が少なく、焼きすぎるとパッサパサになってしまうので、この温度管理はとっても大事。私は竹串を刺して確認すればいいか、と思っていたんですが、前日、偶然温度計を安売りしているのを見つけたので買ってみました。



表示がけっこうかわいい。


焼き上がった七面鳥は、オーブンから取り出して保温しておきます。私は皿に移してアルミホイルでぐるぐる巻きにしておきました。


そんなこんなで、どうにかできました!


カービング(切り分け作業)は、本来ならテーブルの上でやるようなんですが、骨がかなり固かったりしたので、結局いったん下げて台所でキッチン鋏を使って切り分けました。というわけで、切り分けられたあとの七面鳥氏。

「おいしいよ!」


肝心の味ですが、つけ込みのおかげか全然臭みもなく、ぱさぱさにもならず、「あ、これなら食べられる」という出来上がりでした。試食して頂いたみなさんにもそれなりに好評で、本当によかった。


今回の教訓は、焼く作業そのものより、七面鳥を手に入れ焼ける態勢を整えることのほうが大変だった、というところでしょうか。この料理はやっぱりでかいオーブンの備え付けられたでかい家ででかい体のお父さんが作るものだ、という。あとカービングは一旦下げてからのほうがスマート。
とはいえ、大きな丸焼きをみてわーっと盛り上がったり、カニを食べるときのように黙々と食べたりするのは楽しいので、パーティ料理としてはオススメです!作るのも特別感があって楽しいですし、一度は挑戦してみる甲斐のある料理だと思いました。