待庵と燈心亭

T先生のお導きで利休作と伝わる待庵と、しゃれたつくりの燈心亭を訪問すべく、大山崎。言わずと知れたサントリー山崎蒸留所のあるところです。最初に待庵。写真撮影、縁側からならということで、一枚だけ。

奥の方の黄土色の土壁が、待庵の壁です。わび茶の原点とも頂点とも言われる利休の待庵、想像以上にすごかったです。よく言われる、二畳とは思えない広さというのも、細部の丁寧な細工も、すべてすっきりとおさまって、ありうべき姿で建っていました。わざとらしさも、いやらしさも、びっくりするほど感じず、ただ、ただ、茶のためだけにある空間です。美しいというのも違うし、怖いというのも違う、なにか心が静かになる場所でした。これはぜひ、実物を目にして頂きたいです。(要予約。一ヶ月以上かかりますので、ご見学希望の方は計画をしっかりたててください。)
JR山崎駅

待庵のある「妙喜庵」は改札出てすぐ左手です。
外観など。

妙喜庵:http://www.eonet.ne.jp/~myoukian-no2/


その後、これも近くにあるからということで、水無瀬神宮の燈心亭へ。こちらは天皇のために建てられた茶室ということで、待庵とは異なって、非常に開放的。広さも茶室三畳、その他に襖等で区切られた部屋がいくつかあり、なんと風呂と思しきスペースまであるというのだから、これはもう、「宴会」系の茶会が想定された建物だろうと先生の弁(実際にはさまざまな事情でそんな茶会が開かれたはずはないのですが)。もともと、わび茶以前のお茶というのは、お茶を飲んだら名物を自慢して、風呂に入ったら酒をのんで、踊り子さんを呼んでどんちゃん騒ぎするというものだったようです。で、燈心亭はそういう茶席の流れをある程度残した茶室で、どちらかというと、わび茶よりも、貴族、公家の茶の流れにあたる建物とのこと。先生は茶室ではなく「茶屋」だと言うほうがいいだろうとおっしゃってましたが、確かにふらっと寄って、茶でも飲むかという雰囲気のある、素敵なお茶室でした。ここも撮影はできませなんだので、水無瀬神宮の薬医門からの風景を。

あと、この薬医門、石川五右衛門のものと伝えられる、手形がついてますw写真に撮ってみましたが、あんまりよく、わからない。

こちらも見学には予約が必要です。以下のページなどをご参考に。
http://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/promenade/minase_jingu/index.html


というわけで、ひさびさにまともに(?)建築のおはなしでした。