村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈下〉 (新潮文庫)

村上春樹を初めて読みました。面白かったです。面白かったんだけど、行き場のない憤りを隠しきれない。そんな終わり方。
女の子も、街の人たちも自分から生まれたという点では責任あるのかもしれないけど、やっぱりそこでは君は他者なんだから、落ち着いちゃったらダメだろーって思いました。まぁ、「私」と「僕」は別の人間だって思えばいいのかもしれないとも思うけど(そしてそうなんだろうけど)、やっぱり、だったらますます「責任」の所在がよくわからないという気もする。私には、森の中よりも、デューク・エリントンボブ・ディランと、缶ビールと女の子の方がいい。それで最後までのたうち回って死ぬ方がいい。