そして誰かがいなくなった。

村上春樹を読んでみて、そのラストの内向さ加減に我慢ならなくなったことで、ああ、私は根っからのエンターテイメント好きなのだなぁと気がついた今日この頃です。皆様いかがお過ごしでしょうか。村上春樹の次にブローティガンを読んでみました。別に村上春樹が影響を受けていたからではなく、まったく別のルートから読んでみようと思ったわけですが、この『西瓜糖の日々』ってのはなんとも奇妙な小説でした。非常に清涼なんだけれど、非常に奇妙。半分生きてて、半分死んでいる。その世界では日常は日常であることを止めないけれど、そこへ入っていくためには何かを忘れてしまわなければいけない、そんな世界。「世界の終り」とも確かに通じる、しかしそれよりももっと儚い世界。

西瓜糖の日々 (河出文庫)

西瓜糖の日々 (河出文庫)