『日本の家』

日本の伝統的家屋によく用いられてきた言葉を中心として、その由来や意義、情景を豊富な写真とともに丁寧に綴る。
(参考:http://www.toto.co.jp/bookshop/cont/ja/bk_detail/212-5.htm

前回に引き続きTOTO出版
辞典のように言葉を見出しにして並んでいるので、わかりやすく、またフォントも大きく読みやすい。写真も綺麗で、眺めているだけでも楽しめる。

著者の中川武は、早稲田大学で建築史を教えており、その文章の端々からしっかりとした土壌が感じられ読んでいて気分が良い。
(参考:http://www.hist.arch.waseda.ac.jp/index-J.html

そういうわけで建築に詳しくない人も、日本家屋の伝統を知りたいという人も、あるいは専門的に建築を勉強している人も、飽きずに読める。買わずとも、本屋で一度は手にしてみて欲しい。

以下本文より。

──日本の住宅には、「場」としかいい表しようのない部屋、空間、場所の「よどみ」が多くある。そこは、たとえば不思議な磁力が集まり、濃密な空気が漂う、いわくありげな場所だった。…