「マジックマイクXXL(Magic Mike XXL)」をみました。

去年からずっと観たいなーと思いつつ放置していたやつ。

期待を裏切らない変態青春映画!最高!
前作でのラストがさほど生かされていないのはややショックでしたが、男性ストリッパーってなんなの、と彼ら自身が自問自答しながら最後のショーへと盛り上げていく、愉快な映画でした。ストリッパーが主人公なのに、直接ファックシーンが出てこないという、素敵な作品です。

この映画がいいなと思うのは、男性を通じて女性の尊厳を描き、女性の尊厳を否定せずに男性の尊厳を描くところ。
ストリップ劇場という場所は確かに、欲望のはけ口ですが、一方で、誰もが素直になれる場所でもある。欲望に一つの”劇”を噛ませることで、観客はそれを公のものとすることができる。これはショーであり、劇である。これは擬態であり、演技である。だからすべてをさらしだせる。
たとえば、セレブなご婦人方の飲み会に乱入した彼らは、「ヒーラー」となって彼女たちを癒す。彼女たちが夫には決して見せられない「本当の顔」を全肯定する。それが彼女たちの望みだからだし、彼女たちが思いたい「本当の顔」だから。
したがって、ストリップショーの最高の瞬間は、彼らがすべての欲望をステージで体現して見せたときです。彼らは完璧に、彼女たちの欲望を実現せねばならず、観客としての期待と、女性としての欲求が、舞台上の彼らには重くのしかかっている。それを誰もが知っているからこそ、最後のステージには誰もが驚くはずです。こんなこと、できるんだ!っていう。
映画全体は男同士の友情を描いている、コミカルなロードムービーですが、主演のチャニング・テイタムの尋常ならぬダンスは、かなり見ごたえがあります。きわどいシーンもありますが、ダンス好きな方は友達同士でも、恋人同士でも、見てみるといいですよ。絶対すげー!てなる。なるし、なった方は是非、一作目の「マジックマイク」も観て欲しいです。
http://d.hatena.ne.jp/asukakyoko/20141130#p1