「ゴーン・ガール(Gone Girl)」

天気のいい5月で嬉しい限りです。北海道は今が一番いい季節かもしれません。


話題作でしたが、劇場で観られなかったので。面白かったです。例によってネタバレしています。
失踪した妻をめぐる、家族やメディアの関係を描きます。
ソシオパスとされる女性に振り回される家族の話ですが、個人的には登場時から怪しさマックスだったため、特別な驚きのない映画だと感じました。受け手にとって夫が犯人かもしれないと疑う余地はほぼなく、映画の3分の2くらいは女がどうやって夫の下へ戻ってくるのかという筋に費やされていますので、サスペンスというよりも、後半はどちらかというとサイコスリラーといった様相を呈してきます。
カッターでざっくり切りつけたりと、禍々しいシーンは若干あるものの、全体的に、登場人物が全員なんらかの疑心暗鬼に陥った状態を描いていますので、ただ単に暗い。エイミーの気味悪さは十分に描かれていたと思います。
ソシオパスがもっと怖いのは、彼らが見かけ上はなんの区別もなく、幸せを演じることができ、それを他者にも強要するという点である、というテーマでしたが、そこはとても上手に描かれていました。エイミーを演じる女優のロザムンド・パイクも素晴らしかったです。ソシオパスという概念を明らかな実体として描き出したという点では、ナカナカ問題作だったのかも。(身近にも、あいつソシオパスじゃないかという人はけっこういますね)
パートナーに対して少しでも疑念や不満を持っている夫婦は見ない方がいいかもしれませんね…。