「12モンキーズ」「ブギーナイツ」
お正月だからといって油断していると寝首をかかれるぜ、ベイビー。
そんなわけで、今年もたくさんいい映画に出会いたいですよね。よろしくお願いいたします。
あとNHKのお正月特番で、「ワイルドスピード」と「グリーンマイル」も観ましたが、いずれも途中からだったので割愛。
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特に、若き日のブラッド・ピットの名演がいちばんの見所です。あの人はほんとうに、いかれた人間を演じると素晴らしい。キレた役をもっと観たくなりました。
ストーリーは、タイムパラドクスものに精神的な不安定さをミックスさせた妄想モノという感じ。結局未来が変わったのか変わっていないのか、私には理解できませんでした。単純に考えると、変わってないと思う。微妙に異なる映像が、変化した未来の表現だとしたら、ちょっとわかりにくいし、最後の科学者のせりふも、意味深だけど不可解なところが残るなと思いました。解釈はご自由にという感じとも違う、若干の居心地の悪さはなんなのか…。ともあれ、ブルース・ウィリスの変装はまぁ楽しかったのでヨシですか。キレキレのブラッドと髪の毛ふさふさのブルースが見たい方はぜひどうぞ。
ブギーナイツ [DVD] [DVD] (2011) マーク・ウォールバーグ; ジュリアン・ムーア; バート・レイノルズ; ポール・トーマス・アンダーソン
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題材も目を引きますし、とにかく構図がきれい。あとはパーティシーンに代表されるような、役者を大きな場所に配置して撮影される、移動カメラでの長まわしが印象的です。もっと言うと、そのシーンからいつの間にか、不穏さや悲劇の予兆が引き出されていく瞬間がぞっとするほどスムーズで、この監督は心の中を覗けるのだろうかと感じるほどです。
崩壊した家族たち、寄る辺ない、放浪者たちが、たったひとつの人間の欲望である性欲によって引き寄せられ、ある種の結束をもった集団を形成していく。自分自身の崩壊したアイデンティティをなんとか取り戻そうとするのに、バランスを崩して失敗してしまう虚しさ。観ていて胸が苦しくなるのに、どうしてか、見捨てることができない、そういう人物を描くのが極端にうまいんですね、きっと。
『ザ・マスター』へも通じるような、どうしようもなく孤独で愛を求めているのに手に入れられない不器用な人間、男、彼を取り巻く周囲の人々、その世界全体、そういったものを閉じ込めた、ああ、これが映画だなぁと感じる良作でした。
題材に抵抗がなければ、ぜひいろんな人に見てほしいです。