秋の映画祭り的な4本立て(Hunger/The world's end/Hot Fuzz/The Newton Boys)

しばらく映画メモを書いていないとこうなります。風邪を引いて時間ができたのでレビュー。


HUNGER/ハンガー 静かなる抵抗 [Blu-ray]

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マックィーンとファスベンダーのコンビという理由で。「Shame」よりは理解できる映画でした。実はまだ「12 years a slave」を観ていないのですが、なんだろう、この人はつらい状況を描くのがすきなのでしょうか…。彼の映画を観ていると、私は自分が責められているような気がしてきます。お前はこれもしらない、あれもしらない。世の中にはこれほどの苦しみがあるのに、無知でいようというのか、と。とにかくこの人の映画からは痛みと苦しみしか感じられない。もちろん、反動としての生への渇望や希望はあるのですが、私にはすこししんどい映画でした。自分にはどうしようもない状況を突きつけられるというのはなんにしろしんどいです。


サイモン・ペグとニック・フロスト主演で、エドガー・ライト監督の最新作。ちょっとこねてる感じもしましたが、楽しめました!元ネタになってる映画は半分もわからなかったですが、ゼイリブ的世界観が好みでしたし、なんというか、基本的に人間は馬鹿なんだということを教えてくれる映画でとても気持ちが楽になりました。hungerとセットにしてよかったです。


上記トリオの第二作目(最初はショーンオブザデッド)。これは今までみたエドガー・ライトの映画では極端に長く、前半はほとんどいらないんじゃないかと思いましたが、大変楽しめました。めずらしくペグが超優秀な警察官という役どころだったのも新鮮でした。非常にイギリス的というか、なんか殺人を犯す理由が「演技が下手」とか「笑い方がむかつく」とかいうのが笑えるんだけど怖いっていう。そんな理由で誰かを殺す世の中はけっこう怖いです。ただ、ある社会の中では正しいと思われていることが、外から見るととんでもないことになっているというのは往々にしてあるので、これは自分も気をつけないといけないなと思いました。何事も、バランスが大事っていうか。なんとなく、アダムス・ファミリーとかが大丈夫な人はこれも大丈夫だと思います。町山さんがこのトリオのことをけっこう好きで、でもおっさんしか出てこない映画って映画館では上映できないということですごく怒っていたのですが、まぁ、確かに恋人同士で見ると微妙な気持ちになるかもしれないです。円熟したカップルでなければ一人で見るのをおすすめします。


リンクレイター監督とマシュー・マコノヒーの夢の競演ということで!牧歌的でのんびりしたいい映画でした。昔は銀行強盗ものんびりしたものだったんだなぁと。また、マシュー・マコノヒーがいやみなくらい男前です!最近変態ばっかり演じているので全然男前だと思ったことはなかったのですが、この映画のマコノヒーは間違いなく男前ですので、男前が好きな人は観るといいと思います。男前はやっぱりちょっとむっちりしているくらいがいいのかもしれません。内容は実話を元にした銀行強盗団のおはなし。最後は危ない山に手をだしてつかまるのですが、その後彼らはなんと、90歳くらいまでみんな長生きしたという。なんだろう、この安定感。テレビ出演したときの映像などもエンドロールにおさめられているのですが、ほんとに銀行強盗なのかというほどほんわかしたおじいちゃんでした。人間の人生って、おもしろいもんです。