ウィリアム・フリードキン監督作品をふたつ

フレンチ・コネクション」と「キラー・スナイパー」をば。



刑事アクション映画の原点みたいな映画でした。シンプルで面白かったです!
NYの刑事2人組みが、興味本位で始めた捜査で大きな麻薬取引にたどり着いて、という筋。
面白いのはこの刑事2人組みからは全然正義を感じないところです。容疑者には容赦のない暴行を加えたり、盗聴したり家宅侵入したりとやりたい放題。人権とかそういうの一切気にしてなさそうだし。一方で、マフィアのボスなどはレストランで優雅に食事していたりして、粗暴な刑事と優雅な黒幕という図式がすでにあるんだなぁというのもなんだか感慨深かったです。
全体として、映像は古いのですが、CGとか一切なく、どれもリアルに爆発させたりぶつかったりしていてけっこう見ごたえがありました。私たちの感じるリアルさってなんなのかなーと思ったりも。
王道も王道をつっぱしるような展開が大変面白く、純粋に楽しめました。フィルムノワールや、刑事映画が好きな人はきっと楽しめると思います!


日本では劇場未公開、日本語版を購入することもできず、レンタルでのみDVDがあるというけっこうレアめの1本。いろんな意味でひどい映画でしたが、ひどい映画は大好きなので大変楽しんで見られました!
ヤクの密売人が母親の横領で巨額の損失を出し、自分の命が危ういので母親を殺して保険金で補填しようとする、という筋です。
ただこの映画のタイトルにもなっている「殺し屋ジョー」の個性がまず傑出しており、最終的にジョーはドッティを手に入れるためだけにすべて仕組んだのではないか、とも考えられるのですが、その一方で何か一つの解釈で説明しようとするには、ジョーの行動はあまりに不可解です。
さらに脇役はどうかと言えばこちらもまた無駄に存在感がはちきれていて、結局ストーリーというよりもそれぞれのキャラクターがどう関わり合うのかということにのみ、意識がいってしまう映画となっております。
ジョーの意味不明な狂気、ドッティの不気味さ、さらにホワイト・トラッシュと呼ばれる人々の悲惨な生活もあいまって、どの方向へ行こうとしているのかさえよくわからなくなりますが、個人的には、最後に男が全員殺されるというところで大変溜飲を下げた次第です。
やっぱり強い女の子っていいですね!
というわけで、アメリカでは17歳、イギリスでは18歳以下は鑑賞禁止となっている問題作ですが、大人なみなさんはきっと楽しんで見られることと思います。
あとは余談ですが、f○○kin'ではなく、goddamnを動詞の前につけているのがちょっと新鮮でした。「Goddamn open the door!!」とかなんか音がおさまりがよくて面白かったです。