スパイダーマン2をみました。

トビー・マグワイアのかっこよさの秘訣を知りたくて。
というのは嘘ではないですが実際は、サム・ライミ監督作でおススメされていたものがレンタル屋で全滅だったので…(キャプテンスーパーマーケット見たい…)。

まとまりのある良作でした。面白かったです!
ヒーロー稼業に疲れが出てきたところに、恋人との距離感やら、親友からの執拗な追求やらでぶち切れたトビーさんが普通の生活を謳歌しようとするものの、悪を見過ごすことができずヒーローに復帰するという感じの筋です。
とにかく前半は、ヒーロー史上まれにみる貧乏設定のトビーさんが見てて切ない。ヒーロー稼業を続けていくにはなんらかの支えが必要なんだなぁと心から思わされました。
お金にしろ、心の支えにしろ、何の見返りもないヒーロー業を続けていくためのモチベーションは並大抵のことでは維持できないはずですし、その点、おじさんの言葉ひとつでがんばってきたトビーさんはこれまでよくやったよと、日常生活を謳歌する姿を見てちょっとほっとしたくらいです。
そもそも「目立ちたい」「愛する人を救いたい」くらいのことではたくさんの人の命を救うとか、犯罪者を捕まえるためのモチベーションとしては弱く、すぐ枯渇してしまいます。キックアスくらいの馬鹿な熱心さがないと無理。
というわけで、まともな人間であるトビーさんは、まともであるゆえに小市民へ回帰しようとするわけですが、元来正義感が強く、やはりおじさんの死という大きな転換を経ている以上、すっかりもとの小市民にもなれません。そこへもってきて、自分自身がすでに小市民レベルではなく、ある種の偶像になっているということにおばさんの言葉で気づかされるトビー。これまで分裂していた小市民としての自分と、ヒーローとしての自分を、統合しようと決意します。
成長モノとしてはこれ以上ないくらい王道の展開ですが、今回よかったのはここに反面教師としての悪役がきちんと登場するところです。信念に従って何事かを成し遂げようとすることのよいところと、悪いところがうまく表現されていたと思います。正義のためには夢をあきらめなくてはいけないときもある、というおばさんのせりふには泣けました。おじさんの言葉と、おばさんの言葉、両方ともを背負って再びヒーロー稼業に復帰するトビーさんかっこよかったです。
個人的な趣味としてはMJさんとくっつかないほうがいいのになーと思いましたが、ご近所ヒーロー的には影で支えてくれる人がいるほうが嬉しいでしょうし、今回のテーマとしては表と裏の統一というか、全部表にしちゃおうぜという感じでしたので、まあいいんじゃないかなーとも思いました。
途中でさしはさまれるホラー展開がサム・ライミ的にははずせない感じで、全体として楽しんでみられました。自分の使命ややるべきことに気づけるというのは、とても幸せなことだなと思いました。20代〜30代のすれ違いに疲れてきたカップルにおススメです。