ヒーローズ

本日は気になる2本を。



ミニオン危機一髪っていうか、ミニオンで危機一髪な一作。面白かったです!
悪党稼業から足を洗って久しいグルーが、今回は悪党を追い詰めるほうに回っており、さらにグルーの恋愛模様やら、ミニオンの誘拐事件やらが絡んでのどたばた。最終的にはワールドウォーゼットとボーイズグループで締めます。ここで説明してもカオスなだけになりそうなので、詳細は本編をご覧ください。
何が面白いのかなーと考えてみたんですが、とりあえずストーリーとは関係のないところで動き回るミニオンたちの様子がよくできています。ミニオンたちの世界があって、カメラがそこに入っていく、という感覚がものすごく説得力をもって描かれている。モンスターズインクとも通じるところがあるんですけど、とにかく彼らがスクリーンの向こう側に、実在しているんじゃないかと思わせるところがすごいなーと思いました。世界のどこかにミニオンたちがいて、彼らに会いに行くことができるんじゃないか、そう思ったらとてもわくわくしたし、楽しんで観られました。おすすめ!


ナンセンスギャグの流れで話題に上がったので観てみましたが、ナンセンスギャグというかむしろふつうにヒーロー映画でした。楽しんで観られました!
特にヒーローとしての虚構と、生身の人間としての生活が入り混じっているところが面白かったです。
「キックアス」はとにかく弱くて、敵をぶちのめすこともできないし、よれよれだし、たぶん自分がヒーローのふりをするとしてもきっとこんなんだろうなと思う。虚構を見せられないし、見られない構造としての主人公。なので、見てて痛々しい。
そこへ、リアルに武器を持ち出して殺人を犯し、高度な身体的能力をもつ本物のヒーローが現れる。彼らは本物のヒーローたちと同じく、正体を明かさず、かっこいい名前を持っています。主人公の私生活の中にずっぽり突き刺さる偶像、虚構としてのヒーロー。いわばサンタがほんとに存在したよ!な感覚。さらに言えばリアルヒーローの私生活は、主人公の私生活とは異なり、完全にヒーローとしての生に捧げられている。
なるほど悪とは、主人公にとっては日常に存在するものですが、リアルヒーローたちにとっては、大義であり、復讐の対象です。ここに結構温度差があって、主人公はこの落差にものすごく戸惑う。自分がやりたかったことって、こういうことなのか。自分にとってかっこいいこと、大切なことって、人殺しなのか。
最終的に自分の無力感を圧倒的に感じることで主人公の迷いというのは吹っ切れて、リアルヒーローの復讐劇に加担します。血と力で作り上げた虚構に主人公が加担したというか。ただそこで歩み寄ったのが主人公だけかというとそんなこともなく、それがラストの学校のシーンに落とし込まれています。つまりヒーローもまた、自分たちの虚構を捨てて主人公の住む日常へと戻っていく。


といった感じでどのシーンも面白かったですが、私としては新たな戦うヒロインとしてのミンディが大好きになりました。強い女の子っていいですね。華麗なハイキックにしびれました。