「super 8」をみました。
こんばんは。映画で泣いたという人に「映画であまり泣かないのであなたの気持ちがわからない」と言ってその場の空気が調理人の包丁よりも鋭くなった今日この頃皆様方におかれましてはご機嫌いかがでしょうか。
さて、スタートレックが話題のJJエイブラムス監督の旧作をみてみようということで。
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「第九地区」なども含めて、異星人が地球で路頭に迷う話を「星に帰りたい系」と呼ぶことにしようと思うのですが、今作もこの帰りたい系映画でした。でしたが、それ以上に少年少女の冒険譚であり、タイトルのとおり映画に熱中する映画馬鹿の話でありました。*1小さいころにテレビで観た映画って、こういうのだったなあとなんだか懐かしくなってしまいました。スピルバーグへのオマージュとして製作されたということもあるのかもしれませんが、不気味であったり、怖かったり、実際にグロテスクだったりする場面をはさみつつ、最終的にはきちんとハッピーエンドに収まるので安心してみられます。
映画のつくりとして面白いのは、さまざまなジャンル映画の典型的な場面がいくつも盛り込まれているところ。最初は親子の絆ものなのかな〜と見始めて、そこにビバヒル的な青春モノが入ったかと思ったら一気に軍事防衛機密暴露モノ+秘密握ったやつは殺すぞ展開になり緊迫、ホラー展開から緊張が爆発して戦争映画となり、そのまま市街戦に突入、したと思ったら地底探検ものをはさみつつ最終的に未知との遭遇。自分で書いていてもよくわからなくなりました。
とはいえ同じ映画オタクが撮った映画でさらにジャンル横断的なタランティーノとは全然違い、上品なまとまり感があるのはもうJJ監督のセンスとしか言えません。
あとは子役が恐ろしいほど演技上手。特にヒロイン役のエル・ファニングさんの演技はびっくりする。主演の男の子は将来がちょっと心配ですが、エルさんはしたたかに生きていってくれそうです。配役やキャラクター造形もよかったです。頼りがいのあるリーダー的ふとっちょ君というめずらしい役柄が、主役のキャラクターの平凡さをきりっと引き締めていたのもよかった。
スピルバーグ好きでなくとも十分楽しめる、いい映画だったと思います。
*1:とか言ってはいますがスーパー8がなんなのか、観終わるまでさっぱり知らなかった。