シャーロックホームズとダークファンタジー

こんばんは、毎週2本のペースで映画を消費している者です。
今回はいろいろさかのぼった感じの二本になりました。


まあ上映当時映画館まで張り切って見に行った身としては、2のデキがいまいち気に食わなかった。ので、確か最初はおもしろかったはずだ、ということを確認したくての再見。
結果、まあおもしろかったんですけど、2回目ということもあり、あ、そうかこういう構造だったのかとすっきり見られました。
ロバート・ダウニー・ジュニアの話し方が綺麗なのが印象的。あとメアリーが執念深そうだった。
これまで色々なシャーロックホームズを見ていますけども、ああ、これってキャラクター小説の走りだったんだなぁ、と何か感慨深いキモチで見ていました。同じホームズという役柄が、演じる人、演出する人によって極端に変わる、ある種の舞台。台本がよく書けているので、味付けする人次第でどんな味にでもなるというか。
個人的に大好きなロバート・ダウニー・Jr.がいっぱい見られたのでよかったです。

ギレルモ・デル・トロつながりで。
うーん、きちんと作られたお話でしたが、いかんせん暗い。そもそもファンタジーという種類の物語にまったく馴染みがないうえ、肌に合わないというか、それそういう設定でやらないといけなかったの?という気持ちになってしまうので、むしろダークファンタジーならきちんと見られるかなぁと思ったのが間違いでした。
特に現実での死を王国での復活として描くところが、たぶん生理的に無理。まあ、それがダークファンタジーと言われる由縁だろうとは思います。つまり御伽噺には描かれないところが必ずある。お姫様は結婚したあとどう生活したのかとか、追放された魔女はどうなったのかとか、現実世界から主人公がいなくなったあと、現実世界はどうなったのかとか。ある種、ネバーエンディングストーリーにも近いのですが、あちらでは、死はいずれの世界でも死として描かれます。ところが、今作では現実での死=別世界での生であり、なんというか、いやあ、それは嘘だろうという気がしてならない。主人公の少女の幸せが、私には素直に受け取れないわけです。ファンタジーとして描かれてはいるものの、これは単なる死後の世界のお話であって、現実の死をどう受け入れるかという話ではないし、まして、主人公は最初から現実から逃げようとしている。その現実の中で自分の肉親の命を選び、死を選んだ主人公を、死後の世界でカンタンに復活させちゃうって、なんかそれ主人公の判断を冒涜していやしないかと、いやなんなら子供を馬鹿にしてんのかと、ちょっと憤慨してしまったのでした。命って、子供って、そんな軽いもんじゃねーよという。
でもまあこれは趣味の話なので、幸せな死後を過ごせるのならいいではないか、と言われたら、まあそうですねぇ、と答えると思います。