かなしいバットマン

ええいこうなったらヤケだ!ティムバートン版バットマンの二作目をみました。

バットマン リターンズ [DVD]

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ペンギンがかわいそう!それに尽きる。
生まれつき体の形がおかしいというだけの理由で両親に捨てられ、ずっと地下で生きてきたペンギン氏がようやく地上に出られたと思ったら狡猾な実業家に利用され捨てられ、あげくの果てに殺されるというひとつも救いのない人を悪役にした映画です。この場合悪いのは明らかに実業家だし、むしろまだ何もしてないのに疑ってかかってるバットマンだろ。演説のシーンなんてただの弱いものいじめでしかない。


あと冒頭からぶっとばし気味のキャットウーマンさんがとてもよかったです。ちょっと天然ボケのセリーナちゃんが社長に気に入られたくて企業秘密を暴いてしまい、闇に葬られそうになったところでキャットウーマン覚醒。闇にまぎれて男に復讐しまくりという女性としては割りと爽快なキャラクターでした。あと着てるスーツは自作です。バットマン系の人たちはなんでみんな自分で作るんだろう。


2作目ではじけてしまったのか、今回はティム・バートン臭ぷんぷんの映画で、バットマン要素が添え物のような扱いになっていました。登場人物の半分が白塗り。
強いていうなら、怪盗ルパンの番外編でルパンが少しだけ出てくる話のような雰囲気と言えばいいでしょうか。一応ルパンシリーズにはなってるけど、ルパン関係ねぇ、という。


全体としてとても面白かったんですが、バットマン的なマシンとか飛び道具のかっこよさは皆無で、アングラ演劇をずっと見せられている気分になりました。地味だった。地味なんだけど、さりげなくお金がかかっていて、ちゃんと作ってある映画なのかな、とは思いました。


ペンギン葬送のシーンはけっこう泣けます。