てすさび

オーブンを買ったので、近頃また少しお菓子を作っている。お菓子作りを学校などで習ったことはないし、小さいころからむしろ嫌いな類の行為だったのだが、あるとき突然面白く感じてきた。感覚としては、粘土遊びと化学の実験が一緒になったようなものだ。
先日作ったチーズケーキが想像以上に簡単で本格的な味だったので、今度は台から作ろうとたくらんでいる。今日はパート・シュクレという基本のタルト生地をこねた。同じ材料で交ぜ方や分量を変えていくと、パイ生地になったりするのだから面白い。
お手本にしているのは、相原一吉さんの『お菓子作りのなぜ?がわかる本』だ。この本を読んでいると、砂糖や卵が焼き上がりのカリッとした食感に影響を与えるとか、ふくらみを作るのはなにかとか、混ぜ方と風味の関係とか、材料のバランスなどの理由がちらちら見えてくる。
単なるレシピの本だと、お菓子作りのステップは書かれているものの、なぜそのステップを経るのかまでは、教えてくれない。もちろん、学校へ通えばそういう授業もあるのかもしれない。でも、別にプロになりたいわけじゃない。ただ、家でおいしいお菓子を作ってみたいのだ。そんな私にとって、応用をきかせることができる基本的事項の解説はたいへん嬉しい。
ところで、ドイツのスーパーでは近頃ぜんぜんカボチャをみかけない。ハロウィンくらいまではたくさん見かけたのに、さっぱりだ。カボチャのパイを作りたいのに困ってしまう。カボチャって、冬の野菜だと思っていたのだが、実は違うのだろうか。うーん。

お菓子作りのなぜ?がわかる本

お菓子作りのなぜ?がわかる本