ミュンヘン二日目


BMW Museum》


部屋で朝食を取った後、10時頃にホテルを出てBMW美術館へ向かう。U-Bahnの3で片道2.4ユーロ。ちょっとお高め。駅員さんが二人で一日乗り放題9.8ユーロのチケットを教えてくれたので、それを購入することに。ちなみにS・U・Trum・Busはすべてこのチケットで乗れるというから、移動の多い日はかなりお得かも。駅には無料の路線図も置いてるので、これも手に入れておくと後で安心。
スムーズにOlimpic Zentrum駅に到着。駅を出てすぐのところにBMW Weltという、かなり巨大なBMWの展示場がある。ザハ・ハディドの設計で、なかなか面白い空間に仕上がっていた。



Weltの中を通り抜けてMuseumの方へアプローチできるようになっている。周辺一帯がBMWの工場や本社などのある、まさにBMWの中枢、聖地というかんじ。
Museumの方は新館が建て増しになっており、旧館の方は企画展の展示に使われているよう。今回は美術館建築の特集をした企画展のみのチケットを購入。5ユーロ。27組の建築家と美術館が取り上げられており、個人的に面白かったのはピーター・クック、フランク・ゲイリーくらい。他はあまりピンとこなかった。建築の展覧会はどうしても解説文とパネルと模型が中心となるので、単調な感じは否めない。最上階でエンドレスに映し出される映像が気持ちよかった。
帰り際にエスカレータの上から。


あまりに空腹だったため、併設のカフェで食事。フレッシュ・オレンジジュースとペンネ、オットはコーヒーとタイカレー。

どちらも味付けがしっかりしており、とてもおいしかった。食器もVilleroy & Bochのもので統一されていて、まーいわゆるオサレ系カフェ。美術館に併設のカフェ、ミュンヘンはいずれも質がよくて嬉しい。料金が高いのは難点だが、コーヒー一杯なら300円せずに飲めるから、スタバに入るよりは安いかも。


《ピナコテーク・モデルネ》
腹ごしらえした後は、Pinakothek der Moderneへ。U3からU2へ乗換。このころには天気もすっかりよくなって気持ちのいい昼下り。モデルネは全館共通券が10ユーロ。そして、ふたたび膨大な展示量。企画展を3〜4、常設展を2〜3は常に行っている。


まずは1階と2階で建築・現代美術。2階ではNeo Rauchという現代作家の特別展。平面作品ばかり。確かにスタイルがあって面白いところもあるのだけれど、あまり好みではなかった。ただコラージュの技法と、平面性をことさらに強調する書き割りのような画面のつくりが特徴的で面白い。
現代芸術の中ではヨーゼフ・ボイスがよかった。


建築の展示はスタジアム建築特集。スタジアムに要求される機能を追求すると結局なんだか同じようなものの繰り返しになってくるのが面白い。あと、あまりに鳥の巣みたいなスタジアムがあって、おどろいた。ここまであからさまに似ていると、もう鳥の巣があたらしいスタジアム建築のスタンダードを一つ確立したんじゃないかとさえ思えるほどだ。


いったんカフェで休憩。ビオナーデで喉を潤して後半戦。3階の特別展と地階のデザイン。


地下ではアレッシのデザイン展のほか、トーネットの椅子をずらっと展示してあったり。トーネットは見直してみると品が良くていまでも実用に耐えるデザインだった。少しほしくなる。あとはAfri-ColaのCMが相変わらずエロくてよかった。



モデルネを見終えて見ると、全体として絵画の難しさと19世紀以降のデザインの面白さが際立っている。目的のあるものとないもの。芸術は三次元の写しという目的を達成してから迷走している。他方デザインには常に使えるモノである必要があったので、目的のもとにつくられたという点で迷走しようがない。個性の出し方も全然違う。建築家の個性が強いものは芸術・彫刻のたぐいだと思っている。デザイナーはむしろ形態としての解決を与える。解決策がひとつではない以上、個性はいらないというよりおのずとついてくるのだ。


ペイヴメント
モデルネを後にする。やはり昨日のアルテが一番すごかったという結論に二人で達する。昼に食べ過ぎたので夕飯はそれほどいらないねということで、バーガー・キングでハンバーガーを買うなどする。実はオットは初バーガー・キングであった。私は肉の味がマックより断然好きだ。
ホテルに荷物を置いて、いよいよペイヴメント。トラム18でKarls str. からDeutche Museumへ移動。会場はMuffathalleという、300〜400は入りそうな中規模のライブハウス。だいぶ早く入場してしまったので、最前列左寄りに陣取ることにした。我が人生において、最前列でライブを見ることになるとは思わなかった。二人でおしゃべりしながらビールも飲まずに待機。集まってくる男子のほとんどはナード、女子は眼鏡。あとアメリカ人の4人組のうるささには辟易した。
前座があるとは書いてなかったようなのだが、前座に知らないバンドが出てきた(この時点で30分おし)。メタルと、ミニマリズムが合体したような感じのバンドで、悪くはなかったのだが、音が大きすぎて、スピーカーのほぼまんまえにいたため死ぬかと思った。オットは、面白いけど売れるかどうかはわからないと評価*1。私も同感だ。
その後サウンドチェックを行って、結局ペイヴメントが始まったのは開演予定から2時間ちかく経ってからだった。最前列だけあって、とにかく近い!スティーブが目のまえ!そしてみんなおっさん!音源で聴くよりずっとずっと正統なロックバンドで、すごく楽しかった。久々に音の中で体を揺らして楽しんだ。音の中で体がふわっと浮かび上がる感覚は何物にも代えがたい。気持ちいいぜ!振り返ってみれば、開場直後はがらがらだったライブハウスもほぼ満員。
で、終わったら0時すぎ!日付変わってるし。急いでトラムまで戻って、ホテルへ。日付が変わってもちゃんとトラムは動いてるし、夜中も一時間に2本くらいは走っている。欲望に忠実なのだとはオットの言。


三日目へ→ http://d.hatena.ne.jp/asukakyoko/20100525#p2

*1:ボーカルの人はむかしの4ADにいそうな感じだとオット。