この先の道のどっかで


純粋なものは一瞬しか煌めかない。だからこそきれいで、心を動かす。持続の中で嘘と妥協にまみれていくくらいなら、いっそ消えてしまう方が美しい。
ところが。
残念ながら、私たちは続いていく。汚辱と恥に溺れながら、みっともなく生きていく。
そして。
私たちは忘れていく。
私たちは想像していた未来までやってきてしまう。過去と断絶した自己の有り様を当然のように受け入れることのできる未来まで。そして感傷を乗り越えて強くなると同時に、疎ましい未来の有り様を思って泣き叫ぶナイーブさを失う。失われた過去の自分に戻れないことを儚む程度の繊細さを残して。
私たちは忘れていく。
でも私たちは続いていく。
その道のどこかでまた出会うことを願いながら、笑顔で手を振る。