ここ一週間でみたDVD

『ぼくらの未来へ逆回転』
『食人族』
鬼が来た!
痴人の愛
ぼくらの未来へ逆回転以外は血みどろかヤンデレっていう。別に血みどろが好きなわけではありません。ただこういうのも見ておかないとな、という気持ちで見ているところがある。なんのためかっていうのは、よくわからないけど。そのむかし、二階堂さんが愛する人が血みどろになっても気を失ったりしないように、グロテスクなものを目に焼き付けるようにして見ていたと書いていて、そういう気持ちに近いです。でもゾンビものは笑えるのでけっこう好きです。
そしてこの中で映画としてどれが一番まともだったかというと、たぶん『ぼくらの〜』でして、その次に『鬼が来た!』と『痴人の愛』、『食人族』はビリケツです。しかし私の中でのインパクトで言えば、『痴人の愛』がすごすぎた。これは谷崎がすごいって話ではなく、とにかくジョージ役の小沢昭一がやばい。なにがやばいって、その風采のあがらなさ。こんっなに地味なおっさんいないわ!なめとんのかおっさんを!という。そして個人的なクライマックスは岩場でのナオミとまーちゃんのラブシーンをおっさんが目撃するシーンなわけですが、このときのおっさんの顔の悔しそうなこと!脂汗になって悔しさも一緒にしみ出してきてましたね、確実に。触ったら手が溶けるんじゃないかっていうくらい。そして見たところで手出しもできず、悔し紛れにボートを奪って全力で逃げるジョージ(来るときは泳いできた)と、呆然と見送る二人、という混沌とした図。なんかもう、もういいわ、だいたいわかったわ、だからおっさんを許してあげて!って切実に思いました。
食人族はシリーズの最初のもので、まあ他のもみたのに最初だけみないのもね、という気分で。
『ぼくらの〜』はミシェル・ゴンドリー監督ということで。面白かったけど、後には残らないです。まあ、あっさりしたお菓子みたいな映画です。
鬼が来た!』は、これけっこう面白かったです。最初からやたらにハイテンションな映画で、不幸なのにあんまり不幸そうじゃない。いや、不幸なことをハイテンションに描いているせいで、気分はすごく高揚してるのに、なぜかその気分の高揚ははかないもので、うすっぺらくて、テンションがあがればあがるほど、その後に待ち受けている災難に色濃く影を落とすというか。とにかくわけのわからないうちに災難を背負ってしまったある農夫の苦悩と顛末を、勢いよく一筆書きしました、といった映画です。