てつがくではいけないところに

今日は恩師の昇進祝いのはずが、仕事により欠席するはめに。なんとまあ、不義理な。私は義理と人情の世界には生きられない。めんどうすぎて。義理と人情が悪いというのではないのだ。私が、義理と人情を理解できないだけで。義理と人情は、感性の問題だ。
直感の冴えた女の子と話をするのは楽しい反面、自分自身の思考の無骨さに嫌気がさす瞬間でもある。彼女たちはかるがると論理を超えて、別の次元へ到達できる。私は論理にしばられて、次のレベルへ上がるのでさえ息も絶え絶えだと言うのに。
十分に言葉を費やして、語り尽くしたと思った瞬間、私の意図は言葉からこぼれおちて、彼女には届かない。そして彼女は私の三分の一の言葉で、同じことを語ることができる。私は詩人に嫉妬する。私は飛躍できないからだ。そして地を這うようにして進みながら、空を飛ぶ鳥の軽々とした美しさに感動する。いっさいの無駄なく真理に到達し、それでいて、そこに留まることをしない潔さももっている。私は身軽さに憧れる。軽々とした想像力と鋭い感性に。