ゴールデンウィークの映画3


面白かった!ほんわか温まるいい話でした。P.T.A.の映画は二本目です。一本目は『マグノリア』。あちらは誰が主人公ということはない群像劇でしたが、こちらは主人公のアダム・サンドラーにばっちり焦点が当たっています。彼が演じるのはため込んだストレスを破壊で発散する壊れたバネのような人間なのですが、これがそこはかとなく気持ち悪く、しかし嫌悪するほどではなくむしろちょっと愛おしいという、奇跡のような名演でした。演技なんだろうかと疑ってしまうほどです。ヒロイン役のエミリー・ワトソンが、放っておけなくなるのがちょっと理解できる。こういう男の人って、どうにかしたくなってしまいませんか。私はなります。
あと、影絵のようになった二人のシルエットをたくさんの人が横切っていくシーンが美しくてよかったです。気持ちの盛り上がりってそういうめまぐるしい感じ。
それから、主人公の職場の人たちが文句も言わず一緒に働いているのが不思議だけどこういう連帯っていいなぁと思いました。べたべたしてるんではないけど、まぁいっかと許し合える仲。後処理はきちんとしてくれるプロフェッショナルたち。そういうところから、主人公が愛されてるんだなと感じられました。
何かにむしゃくしゃしてるとき、この映画を観ると、すかっとはしないけど、そのむしゃくしゃがどうでもいいことのように感じられてくるかもしれません。