お人病

asukakyoko2008-04-21

お人形になりたい病。私の好きな雨宮まみというAVライターはお人形になりたい病であり、かつて私のカリスマだった二階堂奥歯もまたお人形になりたい病の側面をもっていた。彼女たちは自分の欲望を無視できないので、それに向かい合おうとする。自分にはできないことがある、ということを無視できないし、自分にできることで満足するにはできることがあまりに少ない。それでその痛みを乗り越えたり痛みに耐え続けたりを繰り返すうちにどうなってしまうかというと、結局、もう自分では、積極的に何もしたくない、何も感じたくない、何も作用を起こしたくないという態度に行き着く。それが、お人形になりたいという願望。もう私は何もしないから、あなたに好きにされたい。あなたの好きに着せ替えて、髪を切りきざんで、無惨に引きちぎられて、燃やされたい。そして彼女たちは、それに限りなく安堵を覚える。そうであればと切に願う。その状態が、たとえどれほどの苦痛を伴うものであろうと、それは今の状態よりもよいからだ。いや、そんなものじゃない。たぶん、その状態はきっと幸せだと、彼女たちは知っている。それは完全に受動的であることによってのみ得られる、唯一の幸せで、積極的であることなど一つもないにもかかわらず、満たされている。積極的に得ることをすべて放棄して、ただ、何もできない、ということのみが残った状態が幸せだというのは、おかしな話かもしれないが、ときどき、私もそんな気分になる。そしてなぜかいつも、その究極に痛めつけられた状態が許されている状態なのだと感じるのだ。だけど、決してその状態のままでいられない、あるいはその状態に至ることができないということが、私を不幸にし、ますます駆り立てる。生まれてすいません。はしたなく、生き続けていてすみません。