科学の解釈学

増補 科学の解釈学 (ちくま学芸文庫)

増補 科学の解釈学 (ちくま学芸文庫)

93年に新曜社から出たものの増補版だそうです。現在の私の興味がほとんど網羅されており、うへぇ、頭があがりません、という感じです。なぜ今まで出会わなかったのか不思議なくらいです。まだパース→クワイン→パトナム→ローティというプラグマティズムの系譜に関する箇所しか読んでないのですが、これは大変良い本だと思います。とりあえず、90年前後の科学哲学関連の話題をまとめて読めるということと、それが比較的独自の視点で、歴史的な位置づけに配慮しながらまとめてあるというところが良いです。「哲学的お話」という科学哲学ではないところも良いです。とかく、分析に終始しがちな箇所も、全体での位置づけを示しながら述べられており、そうそう、そういうことが知りたかったんですよ、という感じで大変勉強させて頂いております。増補版ということで、三編の論文がつけ足されています。