春がきた。

もう何度も書いたから見飽きたかもしれませんが、何度でも書きますよ。私は春が好きです。春の、予感に満ちた空気が大好物です。予感に満ちているがゆえにとても不安で、とらえどころがなく、そのせいで自分のありさまが先鋭化していく、あの空気が本当に好きなのです。
そして冬が本当に苦手なのだと、この季節になるたびに思います。冬に比べたら、まだ夏の方がましだと思います。体温と同じ空気の中で溶け出しそうになっているのも悪くないと思うからです。でも冬は、溶け出すこともできず、かといって自らを暖めるのに精一杯で固めていくこともできず、本当に身動きできません。
早く桜が咲けばいいと思います。桜の凄惨な美しさを、今年は少し楽しめそうな気がするのです。