ONE IN A MILLION / Aaliyah

One in a Million
2002年にニューヨークへ行ったとき、バージンメガストアで買った。新作の棚に、彼女のCDがいくつも置かれていた。そのときもうすでに、彼女自身が歌うことはなくなっていたのに。
このアルバム、当時はたいして良いと思わなかった。これの前の、「Age Ain't Nothing But a Number」の方がましだと思うくらいだったのだが、今日思い立ってひっぱりだしてみたら、驚くほど良かった。中身が変わるわけはないので、私の耳が肥えたか、気分に合ってたんだろう。
実を言うと私は彼女と同じかひとつくらいしか違わない。「one in a million」を歌ったとき、彼女は17歳。そのとき私は中学を出たばかりの田舎娘。この気が遠くなるくらいの開きはなんなのか。腹が立つくらい違う。私の見なかったものを見、聴かなかったものを聴いてきた彼女の歌を、まともに聴けるようになるのに、今までかかってしまった。ずいぶんかかったようでもあるし、まともに聴けるようになったのが奇跡だとも言える。
生きていれば、彼女はこの歳だった。でも、彼女はもういない。そして彼女の音楽だけがある。