昨日公園で

その夜は本当に夏の匂いがした。遠くから爆竹の鳴る音が聞こえたので、尚更だった。
真夜中に、酔った馬鹿たちが散歩を始める。でも住宅街は案外何もなく、結局、いつだったか思い出せないくらい昔に行ったきりの、「公園」へ行った。町中にある、ごくふつうの、小さな公園。ぶらんこと、ジャングルジムと、パンダとコアラのギッコギッコ揺らすやつがあった。夜中の公園は誰もいない。コンビニ袋をさげた私たちは、そういうわけで好き勝手やった。
滑り台をすべったり、腹筋をしたり、懸垂をしたり、孤独にパンダをゆらしたりしたあと、ぶらんこにのった。ぶらんこをちからいっぱいゆらすなんてことをしたのは小学生以来だったけど、どういうわけか私が一番高くゆらせた。他の人たちは体が大きすぎたんだろう。このまま遠くまでふっとんでいけたら楽しいなぁと思ったけど、手を離す勇気はなかった。ぶらんこを止めるときに失敗してくじいた足の甲が今朝から痛いので、あのとき手を離さなくてよかったと思う。