時計仕掛けのオレンジ

時計じかけのオレンジ [DVD]

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この映画を今まで観なかったのはものすごい損失だったと思う。
ポップすぎる暴力場面、ポップすぎる第九、ポップすぎる刑務所風景、ポップすぎる総理大臣。
無意味にけばけばしい色彩、コミカルなテンポ。


言ってしまえばファッショナブルで、それでいてテーマはファッショだ。
もうなんか、ベタベタ。
べたべたなんだけど、それをスッキリ見せきってしまう、というとこがすごい。
非現在を描きながら極めて現実的で、それは老人の、「人間は地球の周りを回り、地上の秩序には誰も見向きもしない」という言葉に代表される。


いまや人びとが求めるのは強力な犯罪抑止装置で、それは刑罰ではなく、矯正という形で現れる。
この辺はなかなか戦慄する。
囚人を内面から矯正して一見従順な人間を作り上げるというシステム。
”一見”従順なところがミソで、パノプティコンよりもっと外科手術的で、悪趣味。


市民のみなさんのマスメディアによる踊らされ方も素晴らしいし、犯罪者の人間性うんぬんよりも安全が大事!というところも現在の監視カメラ設置具合などを思い起こさせて感動。
まさに近未来。


あーまだまだ書きたいことがあるのだけど、ひとまず、メモ。