「セッション(Whiplash)」

セッションを見ていて、単なるスポコン映画なんだけど、妙にわかるなぁと思った。
サイテーな気分にさせられる、だけどやめられない。やめてしまうのは簡単だけど、自分の理想がもしかしたら、これに耐えた後に待っているのかもしれない。そう思ってしまう。
冷静に考えて、そんなワケはない。もし自分が誰よりも才能があるのであれば、たぶんこんなところでくすぶってはいないし、もしないとしても、このしごきを疑問に思う余裕があるんなら、それは向いてないのだ。単に。
そういうわけで、主人公の最後の演奏は、やけっぱちなのだが、やけっぱちなだけに、えもいわれぬ迫力があるし、それはたぶん、演奏の迫力なのではなく、むしろ、その人の鬼気迫る心の迫力であろう。それにしても師弟というのは残酷な関係だ、いつも。