三人(?)のゴットフリート


私の所有する黒豚のぬいぐるみのことをゴットフリートと呼ぶことは、古参の皆様は御存じでしょうが、先ほど偶然にももう一匹のゴットフリートと出会いました。ケストナーの『飛ぶ教室』の中でです。以前に一度読んでいるはずなのですが、すっかり忘れていました。ここでは、ゴットフリートは孔雀蝶の名前でした。私のゴットフリートの名前は『空飛ぶぶたゴットフリート』から来ているわけですが、こちらは人間に恋をしてしまうナイーブな子ブタです。さらにゴットフリートといえば、ヴィルヘルム・ライプニッツを思い出す方もあるかもしれません。
私のゴットフリートは、今は札幌の妹の家に仮住まいをしています。ずいぶん中綿が薄くなり、よわよわしい見た目になってしまいました。生きているものだけでなく、生きていないものの上にもまた時間は同じく流れていくのでしょう。私が死ぬよりも早くゴットフリートが人形としての有様を失ってしまったら、私はきっととても悲しい。だから、できることなら棺に共に入れてもらうべく(入るのか)、少しずつ中綿を足しながら、ともに日々を過ごしたいと思うのです。