年末、食事のもろもろ。

年末になるとどこでもそわそわするものなのか、夕食会の機会が増える。今月半ばはマンハイムにある中華バイキングのレストランへ行ってきた。ハイデルベルクにある中華はジャーマナイズされているのだけれど、そのレストランはそこそこきちんと中華だった。さらに、そこで初めて火鍋を食べた。赤と白の出汁がひとつの鍋の中に陰陽を描く火鍋。日本のしゃぶしゃぶと水炊きを足して二で割るとこうなるのかというような食べ物だ。肉(今回は嬉しいことにラム肉だった)や魚貝、豆腐に青梗菜などの材料を鍋の中にどんどん入れ、茹であがったものからどんどん食べる。赤い出汁のほうは本当に辛い。中によく知らないスパイスがたくさん沈んでいるのだが、どろっと濁っていてよくわからない。でも、人によればもっと辛い物もあるそうで…いやはや。
フランクフルトに呼ばれていった際には、鶏肉のサラダ、ソーセージに、豚肉の角煮様の食べ物、それからチーズ。ガンツ・ドイチュなごはんだった。これが大変おいしく、ドイツのレストランもやるなぁと、ドイツの外食に対する私の評価は急激にあがった。ただ、サーブしてくれた女性がなぜかずっと英語で話しかけてくれ、こちらはなぜかずっとドイツ語で話し続けるという奇妙な状況ではあった。
ソーセージといえば、先日およばれしていった知人宅でいただいた、チューリンゲンのソーセージが死ぬほどおいしかった。ドイツに来て食べたソーセージの中でも随一である。スパイスはそれほど強くないのだが、肉のくせがまったくなく、なめらかで、ぷりっとしている。肉汁はそれほどなく、むしろ日本のウィンナーに食感は近いのだが、味が全然違うのだ。おもしろい。チューリンゲン出身の家主が自慢するのもうなずけるおいしさだった。
さて明日というか今日はもう大晦日だ。今晩もまた知人宅へお邪魔する。なんだかドイツに来てからのほうが御近所づきあい的なものを頻繁にしている気がする。ドイツに住んでいる人たちは、自宅に人を呼ぶのが好きなのだろうか。それとも、ゆっくり話そうと思うと、居酒屋へ繰り出すよりもそういう機会を設けるほうがいいということなんだろうか。そういえば、私の知る人たちはみな料理上手もしくは料理好きである。それにどこの家もたたずまいが綺麗で、居心地が良い。長い冬のあいだ、ゆっくり快適に家で過ごす方法を知っているということなのかもしれない。
そんなわけで、みなさま、よいお年を。