「愛は死より冷たい」

昨年の今頃、確かファスビンダー映画祭というのをやっていて、結局行けなかったのだけれど、今回ようやく見ることが出来ました。

全体として暗かったのと、あとファスビンダーがとても悪そうな感じの人だということがわかりました。あの煙草の吸い方は、一朝一夕で出来上がるもんではないです。そうでなければファスビンダーが天才役者なのだということにしたいです。
物語の落としどころが死であったり絶望であったりするのは、私はとてもわかるのですが、わかるゆえに、もっと違う方向を期待したいという欲も沸きました。あと最初の方の緩慢な展開が後半の10分くらいでだいたいひっくり返されるところが面白かったです。ええー今までのは全部違ったの!なんだったの!という気持ちになりました。愛は難しいです。
アウトローが最終的に銀行強盗に落ち着くのはなんでなのかと思いながら見ていたのですが、特に理由がない。なんか流れでそうなった、みたいなところがあって、それはそれでけっこうリアルに感じました。
おまけの「都会の放浪者」「小さなカオス」も面白かったです。短編がちゃんと作れるってすごいなと思います。ところでファスビンダーは不思議な顔立ちをしていて、どことなく東欧にいそうなんだけど、どう考えてもモンゴル系にしか見えないときもあり、どういう血筋な人なのか気になりました。