夢日記:セロリと妹と母

妹は明日、洞窟へ行かなくてはならないのだが、その洞窟には怨霊が住んでいて、うっかり眠れば寝ている間にとりつかれてしまう。だから私は魔よけにセロリを手渡して、ポケットに入れておけと言う。セロリは眠気覚ましになるし、それに怨霊はセロリが嫌いなものだから、と。そして私たちは出発するのだが、洞窟にいるはずの怨霊はなぜかすでに私たちの背後へ迫っていて、私たちは走り出す。だがその霊は当の怨霊ではなく、地下道にとりついた車掌さんで、かつて改札口であったところへたどり着くと、彼はポケットから懐かしい切符切り用のハサミを取りだし、すっと前を見たまま立ち尽くしてしまった。私たちは安堵して再び洞窟へ向かい始める。
私たちは色々なところを通り抜けていく。ロンドンを走る二階建てバスの横を通り、パン屋のキッチンを通る。パン屋のキッチンを通り抜けたところで、妹は消えてしまい、母が現れる。母は家出して、パン屋の世話になっていたのだ。私はお母さん、何してるの、と言う。母は、お父さんについていけなくなったのよ、と言う。パン屋のおばちゃんが私にツルツルのチラシをくれ、私はそのチラシに名字の違う母の名前を見る。それは母の旧姓ですらない。あれ、再婚歴はないはずだけどなぁ、と思っていると、おばちゃんが、お母さんもいろいろあるのよ、と言った。チラシによれば、母は作詞をするらしい。しかしチラシ自体は、フェミニズム集会の案内で、父と同居しているもう一人の別居男の写真が載っており、それぞれの頭のところに(文、絵画)(音、指揮)とある。彼らの出身のことらしい。
母は、「あの人は絵はがきのプロだから…」とおばちゃんと話している。そうか、父は絵はがきのプロだったのか、まだまだ知らないことがあるものだなぁ、と思いながら、父の描いたという絵はがきを見る。そこには髪の長い女の人が描かれていて、私の目にはそれが若い頃の母に見えた。お母さん、これお母さんみたいだね、と言おうとして目が覚める。