おん、おふ

ネットで知り合った人に会うということを集中して行った時期があって、そのときに思ったのは、私自身はけっこう嘘つきだということと、ネットを介して人に会うのにほとんど抵抗がないということだった。
後者に関しては、別に人間を見る目があるというのではなく、完全に無防備だっただけだ。ある人に、「私がものすごく悪い人だったらどうするのか。ウェブ上ではいくらでも嘘が吐けるのに、どうしてあなたは私を信用してここに来たのか」という趣旨のことを言われ、そのとき私は、本当に面食らった。そうか、嘘を吐く人がいるんだ。目から鱗である。基本的に人間は嘘を吐くより正直なほうがリスクが少ないと思っていたので、真剣にそう問われると、どう答えて良いのかわからない。そのときは確か、「でも、今あなたはそれほど悪い人だとは思えないので、問題ないと思います」とでも答えたように思う。結果オーライ。
前者に関しては、会う人にことごとく「ネットのイメージと違う」と言われたことだ。どうも、私はかなりキジルシな人間だと思われているらしく、会うと「あ、意外と普通の人なんですね」と言われる。「怖い人だと思っていました」は常にいつも言われる。怖い人ってどんな人だ。会っていきなり叱るとか?そんな人間は滅多にいないと思う。それで私は、自分のイメージに嘘を吐いているということがわかった。ちなみにオフで私を知る人は、ほわほわしていると言う。ほわほわって。
ここに出ている部分も確かに私なのだが、これですべてではないし、ここで独自に展開されて、ぜんぜん別の特性を持ってしまっているということもあり得るので、そう考えると、ここにあるものは私の徴候というか、私を知るひとつの手がかりに過ぎないのかも知れないと思う。けれど一生ここでの私しか知らない人には、ここでの私が私であるもののすべてなので、だとするとここでの私はこれを書いている私とはたぶん違う私なのだと思う。asukakyokoと私。