わたくしというもの

なんだかわたくしというものは、いろいろなひとがもうずいぶん上手なしかたで書いているので、わたしはわたくしというものを書くいみをすでにみうしないつつあるのです。わたくしというものの呪縛からのがれてしばらくたちますが、とても身軽なのにとてもさびしい。わたくしというものはとても身重ですがとても充実していたのだとあらためておもうこともあります。ですが身軽になったいま、見えるものはいったいなんなのか。それを最近よくかんがえています。いま、見えているものはなんなのか。きっとこの身軽さが過去になったときに、わたしはそれを知るのだとおもいます。わたくしというものは、いつもわたくしから遠くはなれていくようです。