ナナオのディスプレイ

ナナオのカラーユニバーサルデザイン対応ワイドモニターが欲しい!
と以下のサイトを見て思いました。カラーユニバーサルなだけじゃなく、モニタとしての性能も素敵。
http://www.eizo.co.jp/products/u/s2411wu/index.html


ところで、少し気になることが。というのも、通常ユニバーサルデザインと呼ばれるデザインが、このモニターに施されているように思えなかったのです。
が、まずは以下の動画をご覧あれ。
色覚シミュレーション C型(一般型)

色覚シミュレーション P型

色覚シミュレーション D型

正直に言って、私は二番目の動画、P型の色覚シミュレートを行った動画をみたとき死ぬほどびっくりしました。たぶん、まず食べられそうなものに見えないということに驚き、つぎに食べ物の色がこんな風に見える人たちがいるということに、そしてその数が決して少なくないということに驚きました。
で気になって少し調べると、色覚障害があるということはそれほど珍しいことではないということがわかってきました。通常の生活にも支障はほとんどない。でも、似通った彩度や明度の色遣いだと見えにくくなることがある。ふーん、なるほど。お?もしや、むむ、そうかそういうことか。というわけで、色覚異常について調べるうちに、このモニターの意図、それがなぜカラーユニバーサルデザイン対応と言われるのか、がだんだんわかってきます。
要は色覚障害の人がきれいに色を見られるようなモニターってことではなく、彼らが実際にどういう感じで見えているのかを知って、それに合わせていけるようになってる、という意味でのカラーユニバーサル。
通常ユニバーサルデザインというと、あらゆる人が同じように使えるという意味でのユニバーサルなのですが、このモニターのばあいは、ユニバーサルデザインを意識できるつくり、あるいはユニバーサルデザインを生みだすことのできるもの、という意味でのカラーユニバーサルデザイン対応、というわけなのでした。いや、なかなか、どうして頭の下がるお話しです。
ただ、それほど多くの人が色覚になんらかの障害を抱えてるなら、改めてユニバーサルとか言う必要があるのだろうか、という気も少しします。たとえば字の小さいウェブサイトは目の悪いひとには見えにくいけど、小さいフォントにこだわる人はそういうひとのことは無視します。そう言う人がいるということを知ってるにもかかわらずです。ようは全然ユニバーサルじゃないわけです。で、仕方ないのでその場合、小さい字が見にくい人はブラウザのフォント拡大機能を使う。でもこの機能は別段ユニバーサルを謳っているわけでもない、なんてことない通常機能です。
同様に、もし色覚障害が障害とすら呼べないほど一般的なことなのだとすれば、それについてわざわざユニバーサルというのはおかしいように思えるのです。それなら目の悪い人に対するのと同じように、なんらかの仕方でウェブサイトの色彩を調整し、色覚障害の人が自分で見やすくできるような機能を搭載したブラウザやモニターを、当然のように作ればいいわけで。
ただ、色覚障害が実際どういうものかを私のように知らなかったり、知ろうとしてこなかった人たちに対して、積極的に、しかも実用の側面から理解を促すという点では、今回のカラーユニバーサル対応モニターっていうのは、そのキャンペーンの張り方も含め、素晴らしくよくできた製品だと思いました次第です。
ITmedia News:「カラーユニバーサルデザイン」って知ってますか?
色覚異常 - Wikipedia


追記:
これはちょっとすごいですよ。P型とD型のシミュレーション動画を見たあとで、通常型の動画を見ると、野菜の色が毒々しくて気持ち悪いです。絵の具で塗ったみたいなけばけばしい色に見える。先に通常型の動画を見たときは、美味しそうな色の野菜だなぁと思って見ていたのに。正常な色覚ってなんなんだ、と否応なく考えさせられてしまった。