善き人のためのソナタ

善き人のためのソナタ
詳しい感想はまた別の機会に書きたいと思いますが、多くの人に観てほしい映画と思い、取り急ぎ記事にします。

 この緊迫感に満ちた物語は、ヴィースラー大尉がシュタージ文化部部長グルビッツから、劇作家ドライマンとその恋人で同棲している舞台女優クリスタを監視し、彼らが反体制である証拠を見つけるように命じられたことから始動する。彼はドライマンのアパートに盗聴器を設置し、屋根裏に陣取って四六時中監視を続けることになる。ある日シュタージによってあらゆる創作活動の権利を剥奪され、無力感にとらわれている演出家イェルスカがやってきて、ドライマンに”善き人のためのソナタ”という曲の楽譜を贈る。「この曲を本気で聴いた者は、悪人になれない」という言葉と共に。
 盗聴器を通して聞こえてくる人間味に溢れた言葉、交わされる愛、そして美しい、天からもたらされたようなソナタ……。それらに耳を傾けるうちに、次第にヴィースラーの内面に変化が生じ始めるのだった。深く愛し合っているはずのふたりを引き裂き、分断させ、相互不信へと追いやってしまう理不尽な権力による支配・被支配の歪んだ構造。それらがやりきれないようなリアルさで見事に浮かび上がってくる。
(サイトのイントロダクションより抜粋)

旧東ドイツにおいて取られていた「シュタージ」という国民監視システムについて知るとともに、そうした体制下において人々がどのように生きていたのかについて、いろいろ思いがめぐります。単なる感動ものでもなく、かといって、悲惨な気分にさせられるばかりというのでもなく、しっかりとした考証の上に静かに静かに進んでいく映画。関西や東京ではまだ始まったばかりです。北海道と京都は、三月入ってから。他にもいろんな地域でやるようです。(http://www.yokihito.com/theater.html)お時間のある方は、ぜひ、どうぞ。おすすめです。


善き人のためのソナタ」:http://www.yokihito.com/
北海道:シアターキノ、3/24(土)〜
東京 :シネマライズ、2/10(土)〜
大阪 :シネ・リーブル梅田、2/17(土)〜
京都 :京都シネマ、3/3(土)〜
兵庫 :シネ・リーブル神戸、2/17(土)〜
などなど。