カトリーヌ・マラブー
わたしたちの脳をどうするか―ニューロサイエンスとグローバル資本主義
- 作者: カトリーヌマラブー,Catherine Malabou,桑田光平,増田文一朗
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 2005/06
- メディア: 単行本
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知ってる方も多いかも知れませんが、現在マラブーさんが来日してらっしゃいます。講演はだいたい先週終わってしまったのだけど、まだ関西のは残ってるので、よかったら行ってみてください。わたしもこっそり行くかも知れません。課題がうまくいっていれば…。
7月16日(土)16:00 京都大学吉田南キャンパス吉田南総合館北31講義室
「ハイデガーにおけるメタモルフォーズ(仮)」司会:多賀茂
予約不要・入場無料で、通訳有。
わたしは今回の来日のニュースで初めて彼女のことを知ったのですが、もうずいぶん前から優秀な研究者として知られていた方なのですね。今回手に入れた『わたしたちの脳をどうするか』からは、科学から得られる知見に対する彼女のポジティブな姿勢がよくわかります。その言葉には、哲学者や精神分析医たちが科学的成果から目を背けようとしていることに対する、驚きすら読み取れます。
わたしの言葉は「職業」精神分析家たちによって激しく拒絶されました。彼らはわたしに、心的外傷に関してはラカンがすでにすべてを語り尽くしているのであって、脳損傷の考察などこの点に関して何一つ新しいものをもたらさないと反論したのです。
したがって、このように耳を貸そうとしない人々に対しては、そうです、戦わなければなりません。わたしにとって信じがたく、そして新しいことは、先ほど言ったように、戦うべき相手が科学者よりもはるかに哲学者になっているということです。
(『わたしたちの脳をどうするか』「日本語版インタビュー」、184)
彼女は、またこのさき「病」に関する考察をしていきたいとも述べていて、ますます目が離せないです。
なお、この『わたしたちの脳をどうするか』を基調とした7/5の講演の様子については、観音樹氏の「可塑性の弁証法(http://d.dklog.jp/chromatics/#0001215601)」に詳しいですから、ぜひそちらをご覧下さい。
追記:7/8の講演のことを書かれてる方を発見!お子さんとお話しされたようです。
id:t-hirosaka氏(http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20050708)