"A work for Roche Basel"

 ヘルツォーク&ド・ムーロン(Herzog & de Meuron)とレミ・ザウック(Remy Zaugg)との初の協同プロジェクトとして知られる、ロシュ製薬のビルに関して、レミ・ザウックを中心にヘルツォーク&ド・ムーロン他数人の論考によって構成されている。BIRKHAUSER出版。

 ヘルツォークの文章は1ページと短く、全体の半分はレミが自身のプロジェクトについて述べたものとなっている。興味深いのは、ヘルツォークインターフェイスとしてこの建物を位置づけており、街とロシュ製薬の内部とを繋ぎ隔てる役割を担わせている点である。

 レミは自分がアーティストとしてこの建築に関わることに対し、非常に関心を持っていた。しかもそれは出来上がった建築に対する事後的なものではなく、建築を建てることそのものへと自分が関わっていくことによって形成された関心であった。

(つづく…)