すきなこと

若い頃って、いろいろ考える。わたし、こんなことが好きかも知れない。こんなことが得意かもしれない。これだったらどうにかできる。こういうことすれば、人よりうまくいくのかな。とか、10代の私はそんなことばっかり考えていた。しかも、いつも一日だけがんばってみて、うまく行かなかったら諦めた。諦めだけはよかった。
そういう好きなこと、ちょっと得意なことは、ずっと続けないと本当に得意なことにならないと気がついたのは、実は最近になってからだ。まがりなりに、大学に四年いて、ずっと同じことを続けてみて、ものすごく不真面目な学生だったけど、どうにかひとつの論文を書くことができた。全然得意じゃないことを続けたら、なんか論文が書けたのだ。すごい。
いくら好きでも、いくら得意でも、そのときに止めてしまったらそこまでなのだ。ちょっとうまくいかないからって諦めてしまったら、それ以上には絶対ならない。絶対的な才能の差があるとしても、それは本当にとことん訓練をした結果でしかわからない。だいたいは、そこまでたどり着くまえに息切れして止めてしまうのだ。もしひとつのことを誰よりもうまくできるようになりたいなら、ずっと続けることだ。
という私は何かを続けるのがほんとうに苦手だ。本当に本当に苦手で、だから四年も同じ大学に通えたのは奇跡だと思う。そういうわけで、これはまず第一に私自身に対して言いたいことだった。好きなことがあって、もしそれをずっと続けていても苦にならないくらい好きなら、ぜひ続けることだ。


というわけで、てシリーズはもうしばらく続きます。たぶんそのうち足シリーズにゆるやかに移行します。