夢日記:天上の転職ツアー

ある科学者が、植えると揚力が発生し、土地ごと浮かび上がる作物の開発に成功した。彼はそれを夢の実現と考え、天上の転職ツアーと名づけ、空中への移民事業を推進する。土地はどんどん足りなくなっていたし、貧しくなっていたので、人々はこの転職ツアーにこぞって参加した。やがてその移民時期が終わってから数年後、空中地域の栄養不足が深刻になってきた。それほど広くない土地の中ですべてをまかなうことができなくなっていた。それで、人々は自らが栄養となり、土地を空へ浮かばせ続けることを選んだ。彼らは木の根のように土地の下にぶらさがり、やがて栄養がすべて尽きると、ひからびて落ちていく。驚いたのは地上に残っていた人々で、空からミイラが毎日降ってくる事態を科学者に追及した。科学者の弁はこうである。「みんな夢を追って行ったんだからいいじゃないか!」