自己の他者性


自分自身と学問との、えげつない関係の切実さに、泣きそうになった。哲学を始めようと決めたときから、どこかでトラウマチックな学問との関わりなんてダサダサと思っていて、ずっとそれに対して距離を保とうとしてきたが、今になってそれは回避できない事態なのだとわかった。
言ってしまえば私は自分にしか興味がない。それは、自己の他者化というか、対象化を行い、自分自身を分析するということに至上の喜びを見出してきたという履歴によってわかるのだが、学問というのは、そういう他者化した自分自身への興味によって、つまり自己へ戻ってくる矢印としてしか成立しないんじゃないのかと思ったということだ。


ところで、これを読んでくださっている数少ない読者の方々にお伝えしたいのは、これからこうした自己言及的な文章はどんどん増えていき、本の感想や要約はどんどん減っていくだろうということです。もしここへ客観的で有益な情報を期待して来られているのであれば、この先そうした情報を提供することを保証することはできません。逆に誰も見たくないような個人的感情や思考の切れ端のような出来事がつらつらと並べられていくことになるはずです。申し訳ないのですが、そのようにさせてください(それに、こんなところを頼るまでもなく、本や哲学に関する素晴らしいサイトは沢山あります)。今の私には、不特定多数の人びとへの配慮をする余裕がありません。そのように了解していただけますよう、よろしくお願い致します。
と、あえて言うまでもなくそうした傾向は今までもあったわけですが…。