2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

世迷い言

世界の色を知っている。彼方が、青白く光って、ゆっくりと、夜が押し退けられてゆくときの、世界の色を。 自由にならない呼吸不全を抱えながら、眠れないまま、涙目の向こう側に見る朝は、硬質で、清廉で、幻想的で、力強くて、けれど、魔法が解けていくよう…

昨日公園で

その夜は本当に夏の匂いがした。遠くから爆竹の鳴る音が聞こえたので、尚更だった。 真夜中に、酔った馬鹿たちが散歩を始める。でも住宅街は案外何もなく、結局、いつだったか思い出せないくらい昔に行ったきりの、「公園」へ行った。町中にある、ごくふつう…

春なのかなぁ

匂いは、時々鮮明な情景を引きずってくる。H&deMが執拗に、匂いと記憶について述べていたのを思い出す。たとえばそれは、体育館の乾燥した、古い倉庫のかびくさい、雪解けする川の泥臭い、雨の日のむせかえるようなアスファルト。 初春の、湿った冷たい空気…

To Zion

バランスを保つのがどういうことかなんてよくわからない わたしはお腹を触った 自分がしてきたことに打ちのめされながら でも、それから、ある日、天使がやってきて ひざを折り、祈りなさいと言った わたしのために、生まれるてくる子どものために ああ、な…

9条どうでしょう

http://blog.tatsuru.com/archives/001622.php 十中八九、「水曜どうでしょう」から来てるな、このタイトル。 どのようなことばも、それが存在の重みを持つのは、現実に基礎づけられているからではない。そうではなくて、ことばに現実を変成する力があるから…

ブックマーク

何か、ときどきブックマークしてくださる方がいらっしゃるので、ブックマークアイコンを表示するようにしてみました。ご活用下さい。活用しどころがあるのかはあやしいですが。

最終兵器彼女

産道、胎児、生成と消滅。マリア、アダム、イヴ。何重にも入れ子になった世界。それに重なり合う「恋していく」二人。「ちせ」という世界。 最後の、「ちせ」のリアリティ、描写の仕方がすごい。もしかして、何かへのオマージュなのかとも思うけど。ぼんやり…

うらおもて人生録

いいかい。ここいらへんの俺のいいかたは棒のように受けとらないでおくれよ。言葉を受けるキャッチャーの方にセンスが要求されるよ。くりかえすけれども、実力の部分では毅然と、運の部分では用心ぶかく、手さぐりで、おずおずと。 (色川武大『うらおもて人…

音楽

robinellaという人の、All I've Given という曲。インターネットラジオでたまたま流れてきて、とても気に入った。知ってる人いますか? 060322追記: 研究室の人がインターネットで調べてくれた(というかなんでその考えが自分で思い浮かばなかったのかがも…

ハンバーグと『飛ぶ教室』

なんだかつぶやいてばかりだな…。 ご近所の、美味しいハンバーグ屋さんに行く。相変わらず美味しい。今日はゆるゆるの、長いスカートと、長い上着を着た。いつも比較的ぴったりした洋服を着ているのだけれど、たまにこういう服を着るのも悪くないと思う。動…

生きることと死ぬこと

まるで小学生のようなことばかり考えてしまう。 生きることの裏側が、死ぬことだというのは大いなる嘘じゃないか、とおもった。死ぬことも、生きることも、とてもポジティブな行為だから、放っておくと、私は死んでいるとも生きているとも言えないような状態…

何を読むか

何を読んでも、そのひとのものになってしまうひとがいて、それは嗜好の問題なのか、それとも「本が呼んでいる」のかわからないけれど、ともかくそのひとのリストはとても整っている。 同じリストを、たとえば私が読んだら、どうだろうと思ったのだけれど、そ…

加清純子

http://be.asahi.com/20060311/W21/20060227TBEH0029A.html http://be.asahi.com/20060311/W21/20060227TBEH0031A.html http://www.manabook.jp/seigabook/seigabook_art02.htm もうひとりの二階堂さん。思えばこういう、才能があり、けれどわずかに作為的な…

追加

どうしようもなく影響を受けたサイトをもうひとつ忘れていた。それは「.♭」というサイトで、やはり男のひとが書いていた。ある時の転職をさかいに、閉鎖してしまって、そのとき、私は連絡のメールを出さなかった。何か、別に出さなくても良いという気がして…

でかけるまえに

感傷的になっている?その通り。だって私はあの日記を読むたびに、何度でも彼女を失えるのだから。そしてその時失われるのは、何度繰り返しても三年前の、あのときの彼女なのだから。それは確かにあの時点にうがたれた、ひとつのくさびなのだ。 いってきます…

男のひとの書いたもの

眠ろうと思ったのだけれど、案の定眠れない。 「ROOTSY!」(http://www.rootsy.net/)が復帰していた。よかった。 いろんな人に読んで欲しいと思うブログ(日記)は、あといくつかある。彼らが存在していたということを忘れないようにしたい。同時に、私が存…

ひといき

クロワッサンとコーヒーを胃に入れたら、少し落ち着いた。 いつも、食べ物には救われている(いろんな意味で)。 でも、このクロワッサンはちょっと塩辛すぎる。 いまのわたしは、ずいぶん色々な断絶を乗り越えてきたのだなぁ、と思う。 ようやく時間が戻っ…

引用

私が彼女を引用する。彼女が引用したものを引用する。引用の引用。引用の引用の引用。果てしない箱庭。 ああ。そう、「ちょっと天然ボケ入った明朗快活で元気でやる気のある真面目な女の子」を知っていたら、決して彼女をその通りに捉えないでください。その…

二階堂さんのこと

「八本脚の蝶」 (http://note2.nifty.com/cgi-bin/note.cgi?u=ICF13700&n=5) が本になったのだそうだ。私は、「ベルトーチカ」(http://www14.big.or.jp/~onmars/)のdemiさんが彼女のことを書いていたせいで、彼女の文章を、彼女が亡くなった(と思われた)…

疑惑2

上述の件に関して以下のサイトがまとまっているので、こちらを。 http://ep.blog12.fc2.com/blog-entry-258.html 結構以前から話題になってたものだったんですね。あと、盗作と繰り返して書いたけれど、どうもそうとは言い切れないような側面があるようです…

盗作疑惑

最近知った盗作(?)の話。>> http://www.kousakusha.co.jp/KEC/mp071.html アネハの時も思ったのだけれど、こういう行為はリスクばかり大きくて、結局自分にとって良いことなど一つもないにもかかわらず、なぜかやる人がいる。結局ばれちゃうのに。ばれな…

東大寺お水取り

東大寺の「お水取り」というと12日しかやってないように思いがちですけど、「お松明」という行は1日から14日まで毎日行われるというので、行ってきました(12日はお松明のあとにお水取りが行われるので、12日がクライマックスということのようです…

ミュンヘンのつづき

何か、書こうとするとするっと逃げてしまう映画で、全然うまく書けません。いろんな人が書かれてるので今更書くこともないかなと思ってスルーした食事のシーンですけど、確かにものすごく豪華で美しく描かれてはいるのですが、どうにも、私は気持ち悪かった…

『ミュンヘン』

website >> http://munich.jp/ 私たちは常にねじれる。自分の位置が相手の位置になり、相手の位置が自分の位置になる。誰かの構造の中に押し込められながら、自らがその構造を包含する。そこに運動が生まれる。とどまっていることは決してない。あるとすれば…